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日はまた昇る

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河野談話検証で手詰まりとなった日韓両国

1年ちょっとぶりの更新です。ごぶさたしていました。

河野談話検証の評価

2014年6月20日、日本政府は『慰安婦問題を巡る日韓間のやりとりの経緯 ~河野談話作成からアジア女性基金まで~』を発表した。いわゆる「河野談話の検証結果」である。

この報告書を検証するための資料は外交文書扱いということで公開されていない。そのためこの文書を直接我々は検証できないが、談話を発表した河野氏自身が正しいと発言していることから、妥当な内容だと思われる。

河野洋平衆院議長は21日、山口市内で講演し、いわゆる従軍慰安婦問題に関する1993年の河野洋平官房長官談話の作成過程を検証した政府の報告書について、「足すべきものはなく、正しく全て書かれている。引くべきこともない」と述べ、検証結果は妥当だとの考えを示した。
河野談話検証、正しく全て書かれている…河野氏 : 政治 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

それに対する反応だが、日本国内では政治的ポジションによって完全に分かれ、関係国(韓国、アメリカ)もそれぞれ全く違う反応をみせている。

(1)慰安婦は売春婦であり慰安婦問題は捏造から生じたという立場

この立場の代表的な意見として、古森義久氏のJBPressでの『慰安婦問題「濡れ衣」の元凶は誰か』をあげておく。この機会に河野談話を見直すべきだと主張している。

慰安婦についての河野談話を検証する有識者の新報告は、不当な非難によって日本が国際的にいかに傷つけられてきたかを改めて浮かび上がらせた。戦時の日本の官憲が組織的に女性たちを無理やりに連行するという「強制」はなかったことが裏づけられたからだ。
慰安婦問題「濡れ衣」の元凶は誰か 河野談話は見直すのが自明の策:JBpress(日本ビジネスプレス)

(2)河野談話の見直しに反対する立場

この立場の代表的意見として、日本共産党赤旗から以下の記事を引用しておきたい。
日本が「自主的に河野談話を作成した」ということを明示したことを評価し、河野談話を見直さないという方針を評価している。

報告書は、談話作成時に韓国側と文言調整したが、「それまでに行った調査を踏まえた事実関係を歪めることのない範囲で、韓国政府の意向・要望については受け入れられるものは受け入れ、受け入れられないものは拒否する姿勢で調整した」として、日本側が自主的に行ったとの見方を指摘。作成過程については「その内容が妥当なものであると判断した」と明記しています。
政府報告書 “日本側が自主的判断”/政府 「河野談話見直しせず」

(3)韓国(および日本国内の韓国の主張に対してシンパシーを持ったり主張の正当性を認める人)

予想されたこととはいえ、韓国はこの検証そのものに強く反発している。日本国内の韓国の主張に対してシンパシーや主張の正当性を認める人も同様の反応を示す。
2014.7.2 当初、韓国(および日本国内の韓国シンパ)としていたが、韓国シンパが粗雑な言葉だという指摘があったので、日本国内の韓国の主張に対してシンパシーを持ったり主張の正当性を認める人と表現を変更した。

韓国外交省の趙太庸(チョテヨン)・第1次官は23日、別所浩郎・駐韓国大使を呼び、安倍政権が公表した河野談話の検証結果について抗議した。韓国側は「強制性を認めた談話を無力化させようとしている」と分析。今後、慰安婦の実態に関する白書を発行するなど国際社会への訴えを強める方針だ。
韓国、河野談話検証に抗議「無力化させようとしている」:朝日新聞デジタル

河野談話検証に対抗する目的だと思うが、韓国は外務省ホームページで従軍慰安婦の証言動画を公開した。

政府は、いわゆる従軍慰安婦の問題を巡って謝罪と反省を示した平成5年の河野官房長官談話について、20日、談話の作成に当たって韓国側と事前に綿密に調整していたなどとした有識者による検討結果を公表しました。
これに対して、「政治的妥協の産物だと印象づけて談話の価値をおとしめている」などと反発している韓国政府は、27日夜、元慰安婦だとする女性らの証言などからなる英語のドキュメンタリー作品2つを韓国外務省のホームページに掲載しました。
韓国政府が従軍慰安婦の証言動画を掲載 NHKニュース

(4)アメリカ(政府)

一方アメリカは、河野談話を維持するという日本の決定を支持しつつも、河野談話従軍慰安婦などの問題について、日韓双方から距離を置き、日韓の対話を促す立場をとっている。

この問題についてアメリカ政府は、談話を継承するという安倍政権の方針を支持する姿勢を示しており、今回の会談でバーンズ副長官は、韓国側に対し、対話を通じて問題の解決を図るべきだというアメリカの立場を伝えたものとみられます。
韓国高官 河野談話検討結果で米に懸念 NHKニュース

正直言って、どの立場、どの国も、予定調和的反応だと思う。口悪く言えば、新鮮味がなく面白みがない。つまり、この河野談話検証は、衝撃の事実などないインパクトに乏しいものだったということだろう。*1

慰安婦問題の構造

私は、慰安婦問題の本質は「戦時における性暴力の廃絶」という世界がいまだ解決できていない人道上の難問題だと考えている。
しかし、今、現実に我々の目の前に存在している慰安婦問題は、

  • 人道上の問題を盾に日本に対して外交上の成果をあげようとする韓国政府
  • 韓国のナショナリズムを背景に、数の力を武器にしてアメリカ社会に日本批判の世論を作ろうとする韓国系社会
  • 韓国系ロビーに呼応し韓国の主張をそのまま主張するアメリカの議員団

と、アメリカを巻き込んだ政治・外交問題となっている。
その状況に対し、

  • 慰安婦は売春婦であり韓国から不当な非難を浴びていると批判する国内のグループ

が強く反発し、韓国からの慰安婦問題に関する日本非難の根拠となっている『河野談話』を見直すよう安倍政権に圧力をかけた。安倍政権もそのようなグループ(ナショナリスト)の政治的支持を政権運営上必要としているし、安倍首相自身も『河野談話』に強く疑問を持っていることから、今回の検証は行われることになった。
ここにあるのは、人道問題という本質はとうの昔にどこかへ行ってしまい、日本も韓国も両国とも、この問題を国内政治と外交の問題として捉えているという構図だ。両国政府は建前上この問題を人道問題としているが、そんな言葉は空虚にひびく。それが現実だ。

慰安婦問題を解決できるのか

最善の方策=政治問題を完全に分離し人道問題として解決を図る

慰安婦問題を解決する最善の方策は、慰安婦問題の原点に立ち返り、政治問題を完全に分離した上で、人道問題として解決を図ることだというのは、異論がないのではないかと思う。但し、この方策の実現可能性は?と問われると、実現可能性は限りなくゼロに近いとしかいいようがない。
その理由を端的にいえば、韓国の立場としては、「現在韓国が主張していることは人道問題であって政治問題ではない」という主張を韓国は撤回できず(撤回は朴大統領の政治的な死を意味する)、政治問題ではないという立場に立てばそもそも分離すべき政治問題などないからだ。そうすると、日本の立場としては、「韓国の日本に対する請求権は完全かつ最終的に解決された」という条約に基づいた立場を続けるだけになる。
私の国際関係の分析は現実主義(リアリズム)によるものを基本にしている。この考えの基本になるのは、国益であり、プラグマティック(実利主義的)な考え方だ。
実利主義的に考えれば、実現可能性がない方策を追い求めるのは無意味だ。前述の通り、慰安婦問題を純粋な人道問題として解決するのは不可能になっている。だからその試みはもう行われないし、もし万が一、なにかの拍子にその試みが行われてもそれは徒労に終わるだろう。*2

次善の方策=政治問題と割り切って解決を図る

日韓両国が、慰安婦問題をプラグマティックな政治問題だと割り切ってしまえば、慰安婦問題解決に向けた微かな道のりが見えてくる。
その場合、目指すのは、日韓両国の国益の許す範囲内での妥協だからだ。
日韓双方の主張は、大きく相違しているだけに、妥協がなりたつのか?という点は確かに疑問符がつくが、それでも全く可能性ゼロとも思わない。
なお、この方策は、アメリカ政府の立場=「対話を通じて問題の解決を図るべきだ」と同じだと思う。この方策の可能性がゼロではないと思う理由のひとつが、日韓の調停者としてのアメリカ政府の存在があるからだ。*3


慰安婦問題の解決を阻害するもの

日韓両国のナショナリズム

ひとつは、日韓両国のナショナリズムだ。
韓国のナショナリズムは、「旧日本軍によって行われた性暴力の賠償を求めるのは当然だ」という被害者の正義に基づく。
日本のナショナリズムは、「慰安婦は当時許容されていた売春婦制度であって現在の基準で性暴力扱いするのは不当だ」とか「条約によって請求権がなくなったものを何度も求めるのは不当だ」とか「当時の軍の強制が証明されない以上、国としての賠償はできない」とか、法の正義というべきものに基づいている。でも、本音レベルでいえば、「性暴力は日本だって受けたし、後日韓国だってやった。なぜ日本だけが責められるのか」という不公正に対する反発という弱者の正義に基づいていると考えるべきかもしれない。
後述するが、どれが正しいかいうメルクマール(基準)を私たちプラグマティックな現実主義者は重視しない。この場合、日本と韓国のナショナリズムのどちらがより正しいかという判断はしない。
複数の立場で複数の正義が主張され、その正義同士が真っ向からぶつかるという状況は、国際関係では別にめずらしいことではないし、逆に国際関係で問題になっているものは、ほとんど全てそれぞれがそれぞれの正義を主張しているといっても過言ではない。*4
私たち現実主義者は、そのような主張がぶつかっている状態で、何が正しいかというアプローチが紛争を解決しないことを知っている。正しさを競い合っても、問題はこじれていくばかりだ。

非妥協的なリベラル、マスコミ

一方、人道上の解決を強く訴える人たち(その主張はリベラル的なもの)の中で、非妥協的な人もいる。こういった人たちも、解決策が不完全であるからと言う理由で、慰安婦問題の政治的解決を阻害する。
特にいわゆる韓国から「良識的」と評価されるマスコミは、解決よりも批判を優先する。

すでに経済状態も厳しく、フラストレーションがたまっている日本国民にとっては、「100%満足のいくものではないかもしれなけれど、真摯に謝り、精一杯の誠意を示した。なのに、ゼロ回答か…」という失望感が広がりました。そこから、「中韓に謝ってもいいことない。かえって居丈高な態度をとられるじゃないか。欧米もなんだ。自分たちだって植民地支配をしていたし、性の問題で後ろめたいことがあるのに、善人ぶってお説教か」という怒りが出てきた。
この怒りは、正当なものだと思います。日本の有力なメディアも、政治家も、私たち専門家も、そういう国民の思いを、韓国や中国や欧米に伝えることを怠ってきました。特に、政府の責任は大きいと思います。担当者は、自分が担当している期間は波風立てたくないと、首をすくめて嵐が過ぎるのを待つだけ。「私たちはここまでやってきたんだから、堂々と発信して、韓国のメディアとも戦いましょう」と何十回言ってもダメでした。
日本のいわゆる「良識的な」メディアも、韓国のメディアの問題点は、まったく取り上げない。むしろ、「国家賠償を行わず、法的責任は取らなかったのは不十分」という論調でした。
日本が誇るべきこと、省みること、そして内外に伝えるべきこと~「慰安婦」問題の理解のために(江川 紹子) - 個人 - Yahoo!ニュース

正しさ、正義というメルクマール(基準)

「私の主張は正しい」「私たちこそ正義だ」
こういった発言を真顔で発言する人を思い浮かべてみてほしい。それはナショナリストだろうか? それとも善人ぶったマスコミだろうか?
自分の意見と異なる人への批判はあっていいのだけど、日韓のナショナリズム、すなわちナショナリストの主張の全部が間違いとはいえないし、善人ぶったマスコミにもそれぞれ主張できる正当性がある。しかし、慰安婦問題の場合、その主張は真っ向から対立している。何を持って正しい、正義だというのは、その人の考え方次第という状況だ。
そこで、仮に、両者が歩み寄り、その正当性を双方が認め合って、五分五分で決着しようとした場合、それぞれの主張する正しさ、正義ってどう変えたらいいのだろうか? 本当に両方の主張を半分ずつ取り入れて合意できるような正しさとか正義とかは成り立つのだろうか?
こじれた国際問題の場合、その多くは、当事者が非妥協的な立場をとり続けている。
私は、正しさ、正義というメルクマールを全否定しているわけではない。ただ重視していないだけだ。なぜならそのメルクマールには限界があり、両者が正しさや正義を主張するこじれた関係を改善するには向いていないという負の側面があるからだ。たとえその当事者が当事者でない立場だと理解できないような正しさや正義を主張していたとしても、当事者の主張を否定すると解決どころか関係はこじれるだけになる。
慰安婦問題も、世界にゴロゴロしているこじれた国際問題の例に違わず、当事者(日本と韓国)の非妥協的な態度が解決の最大の阻害要因になっている。問題を解決するためにふさわしいメルクマールとは、より妥協可能なものであるべきとは思わないだろうか?

慰安婦問題に対する3種類のアプローチ

日本のナショナリストのアプローチ

今回の河野談話の検証作業は、「河野談話は正しくないから見直すべきだ」という圧力から行われたものだ。ここにあるのは「正しさ」というメルクマールだ。それは慰安婦問題について「慰安婦とは売春婦のことだ。政府や軍が組織として関与した強制はなかった。だから謝罪など必要なく河野談話は撤回すべきだ」という主張に繋がる。これは彼らなりの「正しさ」が根底にあるアプローチだが、そのアプローチをとった場合、その行き着く先を冷静に想像してほしい。
欧米を含めて、戦場における性暴力の問題を解決できた国は存在しない。ほとんどの国がうろめたい過去を持っている。月日が経ち、せっかく忘れ去ろうとしているそんなパンドラの箱を開けたがる国があるだろうか。それよりも門前払いで、日本は戦場における性暴力を正当化する国というレッテルを張り、それを厳しく批判する自国という構図を作りたがるだろう。それが、当事国でない他国の「正しい姿勢」だ。
重ねて言いたい。
どんなに日本の旧軍が組織として慰安婦運営に関わっていないという資料を出しても、日本は免罪だという国は現れない。それどころか日本は非難の集中砲火を浴びる。その理由は「自国が現在になっても解決できていない戦場の性暴力の問題を70年前の日本の旧軍が解決できているはずがない。つまり日本は重要な事実や資料を隠していると考えられる」という考えを各国とも覆さないからだ。それを覆すと東京裁判そのものの是非にまで行き着く。そんな大事を抱えてまで、日本を擁護する国があるだろうか?

河野談話の発表当時のリベラルなアプローチ

では、彼らが批判対象としている河野談話はどうだったのだろうか。皮肉なことに、今回の検証報告にそれが明確に示されている。
河野談話は、日韓両国が文言をすりあわせて作られたものである。では、なぜ日韓両国は文言をすりあわせたのか? それは日韓両国とも、この問題が両国の政治、外交問題であると認識していた証左だ。
外交問題だと認識しているのであれば、なぜそれを正式に外交の俎上に上げ、補償(償い金)や謝罪の方法、文まで含めて、日韓の正式な合意ができるまで交渉しなかったのだろうか? 日本側の自主性にまかせたいという韓国側の主張をなぜそのままうけとってしまったのだろうか?
私のような、プラグマティックな現実主義者にとっては、それが最大の失策だと思える。

慰安婦への「措置」について日本側が,いかなる措置をとるべきか韓国政府の考え方を確認したところ,韓国側は,日韓間では法的な補償の問題は決着済みであり,何らかの措置という場合は法的補償のことではなく,そしてその措置は公式には日本側が一方的にやるべきものであり,韓国側がとやかくいう性質のものではないと理解しているとの反応であった。
慰安婦問題を巡る日韓間のやりとりの経緯 ~河野談話作成からアジア女性基金まで~ 14p

もし、河野談話の発表と同時に、日韓両国の共同声明を発表し、将来に向けて慰安婦問題の解決を宣言できていたとしたら、その後の日韓関係はどうなっていただろうか。
一方、慰安婦問題の解決について共同声明を出せない=日韓の正式な合意がない状況で、謝罪の文言をすり合わせた事実すら隠し、謝罪と償い金支払いを優先した場合はどうだったかは、20年経った今、明確に答えはわかっている。それでも当時謝罪を強行したのは、「日本は戦争における被害について謝罪すべきだ。悪いことをしたのだから謝罪するのは当然だ」という正義のメルクマールがその根底にあったからではないか? これは慰安婦問題について解決の合意はなかろうと「誠意を示せば日韓関係は改善する」という思い込みにも似た善意のアプローチといえると思う。そしてそれがもたらした現状を思い返してほしい。特に国民の善意からはじまった償い事業が、どう潰されていったかを直視してほしい。
このアプローチが行われたのは、日韓関係をよくしたいという善意であったことは間違いない。ただその結果は、日韓関係をもっとこじらせて解決を困難にし、先の世代につけを回しただけになった。善意だからといって免責されない。外交問題である以上結果責任は当然ある。
なによりもこのアプローチを阻害したのは、当の韓国自身であったことを忘れてはいけない。

現実主義的なアプローチ

私たちプラグマティックな現実主義者は、こんな場合、日韓の合意=実利がない場合、謝罪すべきでないという結論を出す。謝罪は最終的な解決の合意と同時でなくてはならない。だから合意ができるまでひたすら交渉する。何年経とうともだ。当時であれば、人道的に「慰安婦が高齢になってしまい時間切れになる」というリベラルやマスコミから大きな批判をうけただろうが、それに動じずただひたすら合意をめざすだけ。交渉が難航すれば時間を置く。これがプラグマティックなアプローチだ。

3種類のアプローチのどれを選ぶか

さて、ここにあげた3つのアプローチ、どれが正しいかとは問わない。私たち現実主義者が問うのは、20年前、3つのうちどのアプローチだったら、20年後の今、今よりもよい日韓関係を導く可能性が高かったかということだ。
例え現在に至るまで、20年以上交渉が続き、韓国から非難があったとしても、交渉している事実を公開していれば、国際社会で一方的に日本が非難されることはなかっただろうと思う。一進一退の状況が続けば、日韓双方とも解決を先延ばしする利益がなくなっていくので、妥結の可能性は高まっていっただろう。私はそう考えている。

慰安婦問題と日韓関係の今後の展望

韓国政府から慰安婦問題で妥協的な反応を引き出すには?

歴史にifを問うてもあまり意味はないのはよくわかっているつもりだ。少しif論を書きすぎた。本当に大事なのは、今後であるという点は異論がないだろう。
慰安婦問題は、日韓両国とも妥協的な態度にならない限り解決しないと書いた。では、どうすれば韓国を妥協的な態度に変えられるのだろうか?
日本が韓国の主張する通りの誠意を見せるべき? これも河野談話を発表したアプローチと同じ=善意のアプローチだね。2度同じ失敗をしてはいけない。
相手国が妥協的な態度になったから、自国も妥協的になる。それがプラグマティックなアプローチだと重ねて言いたい。

韓国政府はプラグマティックか?

韓国政府は、妥協的ではないとして、プラグマティック(実利的)なのだろうか? もしそうでなければ、実利で韓国と交渉しても結果は得られない。
私は、韓国政府は十分にプラグマティックだと考えている。
韓国は、慰安婦問題を解決しないことが韓国の利益になっている。「人道」という錦の御旗でいつでも好きなときに日本に対して非難を浴びせられ、日本からの譲歩を勝ち得る材料となるからだ。解決すると、その外交カードを失う。そんな合理的な判断があり、日本に対し、日本が飲めないとわかっている要求をつきつけている。それは韓国の立場からすると、当然のことだと思う。
では、日本はどうすれば、韓国政府から慰安婦問題で妥協的な反応を引き出せるのだろうか?
韓国政府が十分にプラグマティックである以上、そのためには、合理的、実利的な理由で、慰安婦問題の解決を先延ばしすると韓国が不利益になる状況を作るしかないだろう。

(1)アメリカの圧力を利用する

アメリカは、アジアへのリバランスを指向している。いくら名に実が伴っていないとはいえ、方針は方針だ。
その前提はアメリカ軍を削減しつつ、アジアでのプレゼンスを維持することだ。この難題に対する回答が、日米同盟、米韓同盟を発展させ、日米韓軍事同盟にすることだろう。そのためにアメリカは日韓両軍(自衛隊)の共同運用を実現したい。そこでその一歩として「日韓秘密情報保護協定」を締結する。この協定は、締結の一歩手前までいったのだが、当時の韓国の李明博政権が締結の直前でキャンセルした。その理由の一つにあげたのが、日本軍慰安婦記念碑の撤去運動を日本側が行ったことだった。
韓国は、安全保障問題と慰安婦問題をリンケージした。これを慰安婦問題の政治的な利用と呼ばずしてどう呼べばいいのだろうか?
当然、アメリカも韓国が「日韓秘密情報保護協定」の締結ができない本当の理由が慰安婦問題にあると思っているはずがない。ただし、安全保障問題と慰安婦問題という本来関係のない2つの国際問題を韓国がリンケージした以上、この2つはセットで考える必要がある。*5
アメリカは、安全保障問題を前進させるために、慰安婦問題の前進を必要としている。その動機があるため、アメリカは日韓両国に慰安婦問題の解決に向けた取り組みを行うように圧力をかけ続けるだろう。それを日本は利用すべきだ。

(2)時間をかける

慰安婦が生きている間になんとかしたいという取り組みは本当に残念なことに頓挫した。国際関係では善意の関係など信じていない現実主義者の私だが、例え自説が誤っていることになろうと、それでもできることをまずやろうとした償い事業が日韓関係の改善に役に立っていたらよかったのにと本当に思う。でも現実は、国際関係では本当に簡単に国益のため善意は踏みにじられ、善意からはじまった行動は頓挫させられる。そんなありふれた事例の一つになった。
償い事業のホームページで、次のようなくだりが紹介されている。日本人として、このような話を見聞きすると、やはり心が揺さぶられる人は多いのではないだろうか?
人が受けた痛みは、人でなくては癒せない。本質は人道問題だという慰安婦問題の本当の姿がかいま見られると思う。人道的に見れば、元慰安婦本人に対する謝罪は本当に必要だと思う。*6

そしたら、彼女がわんわん泣きながら、「あなたには何の罪もないのよ。」って。「遠いところをわざわざ来てくれて、ありがとう。」というような趣旨のことを言って、でもずっと興奮して泣いていて、しばらくお互い抱き合いながらお互いそういう状態でいて・・・
 私は、「でも私はあなたは私に罪がないって言って下さったけど、でも私は日本人としてやはり罪があるんですよ。」と言いました。「日本の国民の一人として、あなたにおわびしなきゃいけないんです。」というような、そういうやりとりがあって。
慰安婦問題とアジア女性基金 被害者の声-それぞれの被害状況と戦後

しかし、韓国政府の考えは、やはり国益優先であった。韓国政府は、日本の国としての謝罪を要求し償い事業を拒否した。償い事業を受け入れることは、韓国の外交交渉力をそぐことになるので、真っ向からこれを否定し、償い事業をつぶす方策を実施した。以下を読んでもらえれば、かなり露骨なやり方で償い事業ををつぶしにきたのは、よくわかると思う。

同年3月、金大中大統領が就任しました。新政府は、同年5月、韓国政府として日本政府に国家補償を要求することはしない、その代わりにアジア女性基金事業を受けとらないと誓約する元「慰安婦」には生活支援金3150万ウォン(当時日本円で約310万円)と挺対協の集めた資金より418万ウォンを支給すると決定しました。韓国政府は、142人に生活支援金の支給を実施し、基金から受けとった当初の7名と基金から受けとったとして誓約書に署名しなかった4名、計11名には支給しませんでした。
慰安婦問題とアジア女性基金 各国・地域における償い事業の内容-韓国

外交交渉は、国益優先である。その現実は認めなければいけない。韓国政府のこのやり方を非難するのは容易ではない。どの国も国益を第一に考えている。私たちがここから学ぶべきは、やはり相手も国益優先で外交をすすめている以上、日本も国益優先で対応する必要があるということだ。正義というものさしで外交を見るのではなく、そんなプラグマティックな考え方を受け入れてほしいと思う。
ただし、そのように国益優先の当時の韓国政府ですら、国家賠償を要求していない。それは日韓基本条約とその付随条約*7によって、韓国の請求権は完全かつ最終的に解決されていることがわかっていたという点は指摘しておきたい。
ここから、更に時間が経ち、慰安婦問題には、安全保障問題などその他の分野の国際問題がリンケージした。いろんなものでがんじがらめになっている。そんな20年のツケがある。例え慰安婦問題が解決できたとしても、その解決には時間がかかる。必要な時間をかける覚悟を日本は持つべきだ。
今、既に高齢になった元慰安婦の女性もいつまでも生き続けるわけではない。ひどい言い方なのはわかっているが、もう彼女らが生きている間にこの問題が解決できる見込みはほとんどない。

一方、韓国側は、元慰安婦の女性が全員亡くなってしまったら、その後この問題について求心力を失ってしまうという心配を持っているように思える。
そこで彼らは、新たな装置を作った。いわゆる「慰安婦像」である。
慰安婦の最後の生存者が亡くなった時、その「恨」はこの慰安婦像に象徴され、慰安婦像は韓民族統合の(慰安婦問題だけでなく)全ての日本に対する「恨」の象徴になるだろう。そして、日本の要人が訪韓する度にこの像の前にひざまづき謝罪することを、民族の悲願とするようになるだろうと思っている。そして日本に対する新たな「恨」が統合され続け、韓国のナショナリズムの象徴として、意味合いを少しずつ変えながら残り続けるだろうと思う。
そして韓国は、今やその象徴を人道の名のもとに世界各国へ輸出しはじめた。
慰安婦問題は、早々短い年月で風化はしない。

(3)韓国軍慰安婦に対する対応を見極める

1990年代に外交問題になってから始まったとはいえ、日本軍慰安婦について、韓国政府は毎月一定の生活費を支給している。
一方、韓国政府が国として運営していた朝鮮戦争後の韓国軍慰安婦については、女性団体が韓国政府に対応を求めていたし、何度か国会で左派野党が問題にするものの進展はなく放置されていた。
今回、日本の河野談話検証結果の発表の直後、韓国軍慰安婦たちが集団提訴を行った。*8
河野談話検証結果の発表と時期が重なったのは偶然ではなかろう。この提訴もまたとても政治的なものだ。

女性らは1957年から韓国国内の米軍基地周辺で米兵を相手に売春をさせられた。韓国政府は米軍を相手にした売春を認める「特定地域」を設け、女性たちを管理。性病の検査も強要し、感染者の収容所も設けていたという。
元「米軍慰安婦」が韓国政府を提訴 韓国人女性122人:朝日新聞デジタル

これがどう日韓関係に影響するかは、ネットで多く見られる発言のように単純ではないと思うが、一般的に言ってどんな事案にも有利な点、不利な点がでてくるものだ。
この問題を韓国の司法がどう裁くのか。特に韓国の憲法裁判所が『元「慰安婦」の対日損害賠償請求権問題を解決するために政府が具体的な努力をしないのは請求者たちの基本権を侵害するもので憲法違反である』とした判決内容との差を詳細に分析し、日本が外交交渉上有利になるものを把握すべきである。
また、韓国国内の世論、特にマスコミの論調の分析も必要だ。
慰安婦問題は既に人道問題に名を借りた韓国のナショナリズムの現れとなっていると思われるが、日本としては韓国のマスコミの言論や世論からその証左を得たいところだ。
この裁判には、韓国の左派系野党の朴槿恵政権への攻撃という側面もあるので、人道問題よりも韓国国内の政治問題の方がクローズアップされがちになろうと思うが、注目はしておきたいと思う。
日本の左派の中では、この裁判で韓国が人道的な対応を行うことを期待する向きもあるようだが、この裁判の韓国国内の真の姿は韓国の左派対朴槿恵政権というものであり、そうそう日本の左派が期待するような竹を割ったような人道的な決定は行われないだろうと思う。
それでも朴槿恵政権が死中に活を求めて人道的な対応を行い切ったとしたら、それはそれで朴槿恵政権を高く評価すべきであり、日本のこの問題=慰安婦問題に対する対応は変化せざるを得ないと思う。まあお手並み拝見である。

(4)韓国のいやがる外交を行う

なんだかマキャベリズムを全面に出した言い回しになってしまったが、真意としては、韓国がいやがろうと必要な外交を日本は粛々と行うべきというものに近い。
韓国がいやがる外交とは、こんなものがある。

北朝鮮との外交交渉

日本にとっては、北朝鮮との問題を解決する動きをとるのは当然だし、交渉内容をなぜ事前に韓国に説明しなければならないのか理解に苦しむ意見なのだが、なぜか韓国には焦りがあるようだ。

国交正常化まで言及された29日の北朝鮮・日本の会談の結果、発表は韓国政府にとっては突然の内容だった。日本は、韓国側に事前に具体的な説明をしなかった。悪化の一途をたどっている韓日関係の現状を物語るものだ。
韓日米、対北朝鮮の共助で亀裂の可能性も | Joongang Ilbo | 中央日報

集団的自衛権の行使の容認と法整備

アメリカか中国か、日本の集団的自衛権行使容認は、韓国の二股外交の矛盾をえぐる。中国にいい顔をしようとすれば日本の集団的自衛権行使に反対したいし国民感情もそれに近い。一方で日本の集団的自衛権行使は日米同盟を強化し、それは間接的に米韓同盟にも好影響がある。
韓国が二股外交を行い、態度を鮮明にしない状況は、アメリカも日本も自国の国益を損ねる状況である。韓国に旗幟を明らかにするよう迫る外交は必要だ。

韓国メディアの報道は「総理が思いのままに憲法解釈を変える日本は民主国家なのか」「戦争ができる国に生まれ変わる」(朝鮮日報)といった厳しい批判ないし警戒の論調が目立つ。
一方、韓国外務省は安倍晋三首相が記者会見した5月15日に論評を出し、日本の安保防衛論議につき「平和憲法精神堅持、透明性維持、地域の安定と平和維持に寄与する方向で」と注文を付けた。朝鮮半島の安保と韓国の国益に影響を与える事項は韓国の要請か同意がない限り決して容認できず、日本は過去の歴史に起因する周辺国の疑念と憂慮を払拭(ふっしょく)していかねばならないとも言及した。一見、「断固反対か」とも思えてしまう。
だが注目すべきは韓国政府が公式には反対とも賛成とも明言していない点だ。あまりに複雑で悩ましい現実があり、態度を鮮明にしかねるのである。
社説:視点・集団的自衛権 悩める韓国=中島哲夫 - 毎日新聞

しかし、韓国自身がリンケージしたからとはいえ、慰安婦問題を考える上で、安全保障問題まで考えねばならない状況は異常だ。
こんな馬鹿げたリンケージは、早晩韓国に解かせねばならないし、二度と安全保障問題と慰安婦問題を韓国にリンケージさせてはいけない。安全保障問題と慰安婦問題のリンケージは、慰安婦問題の解決に役立たないばかりか、東アジアの安定を損ねるだけである。日本はこの件について厳しく韓国を批判すべきだと思う。

日韓両国とも手詰まりになっている

前項で日本がとるべき方策を考えたが、そのうちどれか決定打=これをやれば慰安婦問題を解決できるというものがあっただろうか?
自分で書いていてそれを否定するのも申し訳ないのだが、そういったものはないと思う。
だからといって、ナショナリストが主張するように河野談話を否定するのも、韓国が主張するように先に日本が誠意を見せるべきだという言に乗っかるのも、失敗するのが見えている。
日本は手詰まりになっている。
では、韓国の方はどうか。
朴槿恵大統領は、告げ口外交と日本では散々に批判されている外交、各国を精力的に外訪し外訪先で日本批判を行う外交を展開してきた。
さて、その外交の成果はあがっているだろうか?
どんな国も、日本と韓国の二国間の歴史問題など興味がないんだ。少なくとも優先順位は低い。(但し、中国は除く)
朴大統領の外訪によって外訪先の国にもたらす国益があるので、外訪時の会見では外訪先国の首脳は韓国に対しリップサービスをするだろうが、それをうけて何か動いた形跡があるだろうか。
更にこの河野談話の検証結果の発表だ。これは外交上秘密にしようと日韓両国で同意した内容の暴露でもある。
それは日本の外交上、秘密を漏らす国としての外交上のダメージをもたらすが、一方で秘密であることをいいことに態度を豹変させた韓国の外交の身勝手さも表面化させた。
韓国もこれまでのように一本調子の日本への非難を行いにくくなった。
結局韓国も手詰まりに陥ったといえる。

韓国は外交の秘密を河野談話検証で公開したことに憤っている。
一方、日本は韓国で政権が変わるたび、態度を変え、外交の秘密を盾にして韓国のナショナリズムを全面に出した外交に辟易としている。
当面、慰安婦問題で日韓は対話なき対立関係が続くのだろう。でも、それは李明博前大統領が竹島に電撃上陸して以来続いていることであり、これが日韓関係の普通の姿だ(だってもう2年近く続いている)と割りきってしまえば、日本の外交上、そこまで大きな問題ではないともいえる。
私は、李明博前大統領の竹島上陸で、日韓関係は壊れたと思っているが、少なくとも日韓双方とも不信と冷ややかな視線を相手に投げる新しい日韓関係の時代に突入したというのは間違いないと思う。
でもそれは、私のようなプラグマティックな現実主義者にとっては、対価を求めない理想主義的な外交、そしてどんどん相手の要求が高くなり理想と現実が乖離していくばかりの外交よりも、対峙を恐れず国益を重視する実利的な外交の方が望ましいと思っている。日韓関係がそのような関係になるためには、通らざるをえなかった反駁の時代なのだろう。

韓国をめぐるアメリカと中国の綱引き合い

結局、慰安婦問題については、韓国がアメリカ側に残るのか、中国圏に入るのか、旗幟を鮮明にするまでは韓国の姿勢は変わらないと思う。
韓国がアメリカ側に残ると決断した場合のみ、韓国は妥協的になると予想する。
今週、7月3~4日に、中国の習近平国家主席国賓として韓国を訪問し、朴槿恵大統領と首脳会談を開く。
そこでどのような動きがあるか、まずはそれを見極めたい。
「中国へベットすべきでない」とアメリカもかなり露骨に韓国へ圧力をかけているようだ。

米国政府が韓国のアジアインフラ投資銀行(AIIB)加盟の動きにブレーキをかけた。AIIBとは、中国が自国中心の新しい国際金融秩序を構築するという目標で設立を推進している機構。
中国主導のアジアインフラ投資銀行 米国が韓国の加盟にブレーキ | Joongang Ilbo | 中央日報

東アジアでの綱引きは続く。

*1:つまりみんな知っていた。公然の秘密だったということと思う。この検証はただ公然の秘密を公開しただけの効果しか持たないと思う。それを大層なものとして河野談話の否定まで持って行こうとする日本のナショナリストも、強硬に反駁する韓国と韓国のシンパたちも、主張は真っ向からぶつかっているが同じ水準の反応に見える。

*2:慰安婦に対する「償い事業」は、日本の立場の許せる範囲で人道的解決を目指したものとして、一定の評価はできるが、その事業は、日韓関係においては残念ながら新たな軋轢を生むことになった。日韓関係は、当時よりも更にこじれてきており、このような事業を行ってもその結末は容易に想像できる。

*3:韓国政府も日本政府も慰安婦問題解決の意欲は薄いと思われる。韓国は中国との関係の兼ね合いがあり、アメリカが望む日韓秘密情報保護協定を締結したくないのだが、その交渉ができない理由のひとつがこの慰安婦問題で日本が誠意をみせないからとしている。慰安婦問題の交渉が進展しはじめると、そういった日韓秘密情報保護協定の締結交渉ができない理由が失われてしまう。一方日本政府も、韓国政府の変化がなければ、慰安婦問題に対する請求権は解決済みという立場を変える理由がなく、解決に積極的と思えない。アメリカ政府が圧力を加え続けないと、この問題を解決しようという動きは活性化しないだろう。

*4:はてなでは、慰安婦問題について、韓国の主張を補完する投稿がときどきホットエントリにあがる。こういった人たちの投稿の意図は不明だが、その投稿の効用は韓国のナショナリズムの補完にしかならない。今のところ大きな力にはなっていないが、それらは日本のナショナリズムを刺激し、対立を深めるだけで、慰安婦問題の解決の阻害要因になると分析している。

*5:関係のない2つの問題をセットで考えるとかおかしいと考える人は多いかもしれない。正しさのメルクマールだとそうだと思う。しかしリンケージとは頻繁に使われる外交交渉のテクニックであり、このこと自体を批判することはできない。問題は、リンケージというのは、問題解決を容易にするために行う場合と、問題解決をわざと難しくするために行われる場合と2つあり、韓国の今回のリンケージは明らかに後者、問題解決を難しくするために行ったということだ。

*6:韓国という国に対する謝罪は、それは人道問題ではなく外交問題であって、今のところ河野談話だけで十分と思う。これ以上の謝罪を韓国が要求するなら、プラグマティックにそれに見合う韓国からの譲歩を要求すべきだ。

*7:財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関する日本国と大韓民国との間の協定

*8:報道では米軍慰安婦となっているが、詳細な内容がまだわからないので、米軍慰安婦よりも概念の広い韓国軍慰安婦の用語を使った。もっとも私はその2つを区別することにそれほど意味がないと思っている。両方とも女性の人権に対する侵害であることは変わらない。