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日はまた昇る

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みなさん!現実主義って用語、誤解してませんか?

検索エンジンで「現実主義」というキーワードで検索してやってきた方へ
『攻撃的現実主義』については、次の2つの記事を読んでください。この記事は、はてなブックマークコメントへの反論として書いたものです。
攻撃的現実主義ってこういうものなんだけど(理論編) - 日はまた昇る
攻撃的現実主義ってこういうものなんだけど(実践編) - 日はまた昇る

はじめに

6月29日に『河野談話検証で手詰まりとなった日韓両国』という投稿を書いた。1年ちょっとぶりの投稿だったのだけど、思いの外、たくさんのブックマークをいただきちょっとびっくりしながら、読んでいただいた方に心から感謝を申し上げたい。

ブックマークの反応はいろいろで、こういったセンシティブな話題だから、異論・批判があるのは当然だと思っている。ただ、一部のブコメを読むと、使っている用語の解釈で誤解があると思うブコメコメントもあった。
誤解はやはり解いておいた方がいいよねということで、少し用語の説明をしたい。

誤解だあ!と言いたい用語(1):現実主義(リアリズム)

現実主義(リアリズム)という用語は、国際関係論の専門用語

誤解があるなあと強く感じたのは、次のコメントだ。(誤解を非難しているわけではないので、そこは悪くとらないで欲しい。単純に誤解はよくないことだと思っているためその指摘をしているだけなので)

id:sandayuu
学問的な調査結果に裏付けられてない事実を盲信する正義は信仰といってもいいんだけど、そんなのを重視するのは一般的な意味でも政治的な意味でもリアリストとは言えないと思うんだけどね。

実は現実主義者(リアリスト)という用語は、一般的な意味でも政治的な意味でも使ってないんだ。
現実主義者という用語の初出の部分にリンクは張ってあるのだけど、これは国際関係論という政治学の一分野で、私のような考え方、手法を現実主義(リアリズム)と呼ぶんだ。なぜって問わないでね。一応世界共通なので。
逆に日本の論説では現実主義って用語を異なった意味で使っていることが散見されるので、誤解をうけるだろうなとは思っていたんだ。だからリンクを貼ったりはしたのだけどね。どうか現実主義(リアリズム)というのは、国際関係論における専門用語、学術用語だってわかってほしい。
そして現実主義(リアリズム)も同じパラダイムの中で論争があって、いくつかに分かれているのだけど、その中でプラグマティック(実利主義的)な現実主義(リアリズム)をとっているよということを明確にするため、「プラグマティックな現実主義」と繰り返したんだ。
確かに繰り返しすぎたきらいはあるのだけど、「プラグマティックな現実主義者の私としては」という表現は、違うパラダイムに立つ人だと異論があるだろうという意味を含んでいる。
なお、プラグマティックな現実主義って書いているけど、厳密にいうと、僕は「攻撃的現実主義」という考え方を基本にしている。*1

14:00 追記
ひとつこの記事のブコメで気になったのがあったので追記

id:gerge0725
攻撃的リアリズムってネオコンのことで,これはリアリズムとは呼ばないと思っている。

「攻撃的現実主義」は、「新保守主義ネオコン)」とは全くの別物だよ。語感から誤解を受けるだろうなとは思っていたけどね。残念だよね。一応、Wikipediaのリンクを張っておくので、読んでもらえるとありがたい。
攻撃的現実主義 - Wikipedia
新保守主義 (アメリカ合衆国) - Wikipedia

id:vhthlh
この文章の現実主義を一般的意味としての現実主義として捉える奴は馬鹿なの?無学なの?どう読んでも政治学における専門用語としての現実主義じゃん/なお、私はリアリストではないのでこの論考の支持はしません。

わかってもらえなかった人を馬鹿とも無学とも僕は思っていない。ただ僕の書き方が悪かったのだと思う。
それでも、それをvhthlh氏にはわかってもらえたのでうれしかった。支持、不支持は当然分かれるだろうし、後述するけど、逆に不支持な人に読んでもらえたことは、僕がこの文章を書いた意図からして狙い通りではあるんだ。
こういったコメントを本当にありがたく思う。

現実主義(リアリズム)の立場では、価値観を排除して考える

Wikipediaなんだけど、現実主義についてはこのように説明されている。

国際関係における現実主義は、世界は無政府状態であるという考えを基礎に置き、国際関係の行為主体は国家以外になく、無政府世界における国家の至上目標は生き残りであるために安全保障が最優先となり、そのためにパワーが用いられ、国際的な様々な事象が発生する、という考え方である。あらゆる価値観を排除して国際関係を客観的に分析しようとする点に特徴があり、国際協調や国際法を重視する理想主義に対して批判的である。軍事力や国益を重視するが、好戦的であることを意味しない。
現実主義 - Wikipedia

強調したいところは、赤太字にしてみた。

さて、前述のsandayuu氏のコメの一部をもう一度例示したい。

学問的な調査結果に裏付けられてない事実を盲信する正義は信仰といってもいいんだけど、

うん、信仰だという指摘はよくわかる。でもね。現実主義っていうのは、信仰であるかどうかっていう価値観すら全て排除して、僕の場合、それぞれの政治学で言う力(パワー)の作用を重視してモデル化している。
要は、現実主義(リアリズム)ってそういうものなんだよってことを言いたいんだよね。
リアリストは信仰に近い=誤った考えの人たちの集団だからモデルから排除するってことはしないんだ。sandayuu氏的に見たときに、正しい論理であろうと正しくない論理であろうと、そこに政治学的な力(パワー)があれば同じに扱う。
繰り返しになるけど、現実主義ってそういうものなんだ。理解してもらえるといいのだけど。

そんな考え、現実主義って言えるかあ!と反発する方へ

正直、その気持ちはわかるような気がする。
ただね、国際関係というのは複雑系の一つなんだ。だからいろんな見方があって当然と思う。はてなでは、現実主義に基いて国際関係を分析し投稿する人があまりいないし、ホットエントリにもほとんど上がってこないよね。逆に、反歴史修正主義の投稿はすごく頻繁にホットエントリ入りするように思えるのだけど、ひとつの考え方の投稿ばかりホットエントリ入りするのは、今後ますます日本の進路は難しくなっていくことが予想される中、意見の多様性という観点で好ましくはないなと思うんだ。
そこでね。できる限り教科書に書いているような方法で、基本に忠実に、現実主義による見方を書いているつもり。
俺のほうがもっとすごいリアリズムによる分析が書けるぞという方、大歓迎! 国際関係の見方、考え方の多様性がほしいなとずっと思っているので、ぜひ投稿してほしい。楽しみにしてるよ。
あとね、国際関係論では現実主義(リアリズム)の対立概念は、理想主義(リベラリズム)と言われている。
これも日本でよく使われるリベラルという用語とは、全く違う概念なので注意してほしい。
この国際関係論でいう理想主義(リベラリズム)に基いて書いている投稿って、まだ僕はホットエントリで見たことないんだよね。
理想主義(リベラリズム)の論客って出てくるといいのになって思ってる。反歴史修正主義の投稿じゃなければ、ナショナリズムの投稿しかないっていう状況は、いやだと思わないかい?

誤解だあ!と言いたい用語(2):シンパ

id:Ayrtonism
「日本国内の韓国シンパ」という言い回しに吐き気を催して読む気が失せた。こういう粗雑な用語使われると、述べられている内容がまともであるという期待が持てない。

シンパっていうのが、そこまでひどい用語だったのかと初めて知った。吐くほど気分を悪くさせて申し訳ない。
知っているとは思うのだけど、シンパというのは、シンパサイザーの略で、シンパシーを持つ人ってことなんだけど、その意味でも吐くほどひどい言葉なのかなあ? そこまでひどい言葉とは思っていなかったんだ。一応、シンパを説明しているWikipediaのリンクを張っておくね。
シンパ - Wikipedia
あの部分って、『(3)韓国(および日本国内の韓国(の主張)にシンパシーを持つ人)』という意味で、略さずそう書けばよかったのだろうなって思うけど、それだとタイトル文字が2行になっちゃうので、シンパって略したんだ。本当に申し訳ない。でもたぶん誤解もあると思うんだ。

2014.7.2 再度、批判があったので、元投稿で、日本国内の韓国シンパという表現を改め「日本国内の韓国の主張に対してシンパシーを持ったり主張の正当性を認める人」と変更した。

補足説明しておきたい用語:国益

id:tzt
この人のいう国益ってなんなんだろうね。

用語全部に定義が書けるとよかったのだけど、確かに国益という用語については説明がないね。
国益という用語は、national interestの日本語訳なんだけど、僕は「国力を増大させる方向へ役に立つもの、利益」と考えている。
次に国力の定義だけど、こんな感じ。
国力は、軍事力、経済力、技術力、文化力、情報力、人口、領土、資源などからなる国の総合的な力であり、他国に対し、自国の意思に沿うように影響を与える力のこと。

つまり、国益というのは、他国に対する影響力を高める方向に繋がるものを国益と考えている。
例えば、慰安婦問題でいえば、

  1. 朴槿恵大統領が外訪して日本の非難を行う という行動は、日本の国益を阻害している(マイナスの国益)と考えるし、
  2. アメリカが韓国に慰安婦問題で対話を促す という行動は、アメリカを経由して日本の意向(対話する)を韓国にきかせようとしているので、日本の国益に沿う(プラスの国益)と考えるわけ。

最後に

ブコメに反応って投稿、申し訳ありません。ここにあげた方、代表ということでご迷惑をおかけしました。
誤解だけは解いておきたいと思いましたので。趣旨ご理解いただければ幸いです。

*1:攻撃的という用語を見て、誤った反応を引き起こしそうだったので、今回は攻撃的現実主義って書かなかったのだけど、ブコメの反応を見ると、かえってこういった用語を使ったほうがよかったのかもなと反省している。攻撃的現実主義は、防御的現実主義への批判として発生したので、防御的現実主義との主張の差から攻撃的現実主義と名付けられた。防御的現実主義が大国の(軍事的な)防衛力を重視するのに対し、攻撃的現実主義は大国の攻撃力を重視することからこう名付けられたのだと思っている。(間違っていたらだれか指摘をお願い!)