日はまた昇る

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リアリズムから見た橋下発言と慰安婦問題

幕引きにはもう少し時間がかかるが発言を巡る騒動は収束へ

5月27日、橋下氏は日本外国特派員協会で自身の一連の慰安婦発言の対する会見を行った。一部の発言について撤回お詫びすると同時に一部発言は自身の主張を再度繰り返した。橋下氏の対応はこれで定まったと思う。国内メディアを中心とした批判はまだ続くだろうが、一連の騒動は徐々に収束に向かうだろう。
もっとも橋下氏と日本維新の会に向けた国民の目は厳しく、参院選を目の前にして、大きく後退した形となった。
(参考:橋下氏の慰安婦発言「不適切」75% 維新支持も急落


政治的な発言か、学術的な発言か

歴史に対する言及は、それが政治的なものか学術的なものかを、発言者自らが区分けし、明らかにする必要があると思う。
学術的なものであれば、政治的な影響を最小にし、政治的に中立であることを心がけるべきだ。
しかし慰安婦問題に限って言えば、どの国のどの人物の発言であっても、何らかの政治的効果をあげるべく発言しているものばかりだ。この橋下氏の発言も政治的なものであると思う。
誤解を恐れずに書くと、一般的に言って歴史問題に対する(学術的でない)政治的な発言の場合、その当時の価値基準による評価自体はさほど重要ではない。
重要なのは現在の価値基準であり、その事件を現在の人がどう捉えているか、何を真実だと思いたいかだ。繰り返し言うが、今の人が信じたいことこそが政治的には「真実」といえる。
過去は返ってこない。政治的に歴史を省みるのは、ただ将来に向けて指針を得るためにある。だから政治的に歴史問題が扱われる場合、(学術的に誤っている可能性があっても)このような姿勢が許容されるし、あるべき態度となる。
当時の基準において、当時起こったことを評価する。それは歴史学という学術的な態度としては正しいが、政治的には正しくない。
法には不遡及の原則がある。当時起こったことを、現在の法体系に基いて罰することはできない。それは法律学という学術的な態度としては正しいが、政治的には正しくない。
もう一度書いておきたいのは、この一連の橋下氏の発言は、政治的なものだったということだ。
慰安婦の問題の場合、それに対する言動は、現在の女性の人権に対する態度を反映したものと捉えられる。この一連の発言によって、橋下氏は女性の人権に否定的な政治家だという印象を国民に与えた。それこそ国民が橋下氏と日本維新の会に厳しい視線を向けている理由だと思う。
橋下氏も日本外国特派員協会での会見では、一連の発言は女性の人権を否定した発言ではないと自己弁護したが、それが受け容れられるかは微妙な情勢だ。


慰安婦問題を巡る各政治的勢力の構造

単純に善悪で慰安婦問題を捉えるのは、この問題を局所的、一面的に観る見方と思う。リアリズムでは、各政治的グループの基本的な考え方をそのまま否定せず捉え、それぞれの影響を図り、将来予測することを基本におく。ここでは表題にもある通り、リアリズム的な手法でこの問題を分析してみたい。


日本の2つのグループ

慰安婦問題について、日本国内のメインプレーヤーは2つだと考える。
一つは、反米親中韓リベラリストグループ。もう一つは、愛国心を重視するナショナリストグループだ。

反米親東アジアのリベラリストグループ

ここで言う「リベラリスト」とは、国際関係論の「リベラリズム」の中にある「理想主義」と呼ばれる考え方に近い人々を想定している。
一方「理想主義」的な指向を持つ人の中でも、昨今「アメリカ陰謀論」などの露骨な反米的な言説をとる人が少なくなってきたので、この勢力の代表的な人をあまり多く思い浮かべられないが、ここでは内田樹氏をあげておきたい。というのもこのグループに属する政治家には有力な人はいないと思うし、内田氏はちょうど最近、この問題についてブログに記事を書いているからだ。*1
日本の文脈・アメリカの文脈
一般にこのグループは、慰安婦側に同情的で、日本の対応について厳しい見解を持っている。

一方、このグループに近く、同じ立ち位置にいて同じ主張をおこなっているグループとして、次のグループが存在すると考えられる。

この投稿では、以降このグループ全体を「近隣協調派」と呼ぶ。
(注)できる限り批判的なニュアンスのない用語を選んだつもりだが、もしそう感じる人がいればそのような意図は全くないと申し上げつつ陳謝したい。肯定でも否定でもない中立的なニュアンスの用語として選んだ点重ねて強調したい。

愛国心を重視するナショナリストグループ

代表的な人物としては、まず石原慎太郎氏を思い浮かべる。
このグループも、アメリカに対し相当の不信感を抱いている。その点では正反対の立場をとる前述の「近隣協調派」とアメリカに対する見解が似ている点を指摘しておきたい*2。但し「近隣協調派」がアメリカへの不信の裏返しとして、中国や韓国に対し無批判とも思えるほどのシンパシーを示すのに対し、このグループは、アメリカ以上に、中国、韓国を信用していない。
こういった国際関係の基本理解に基づき、このグループは「日本単独の安全保障とそれを確保する軍事力」を求めている。それ担保するために自国に対する誇り、愛国心の必要性を説き、それを支える歴史観、歴史教育を重視する。
石原慎太郎氏のこの問題に対する考え方を端的に表した記事として次の記事を紹介しておきたい。
石原慎太郎氏「軍と売春はつきもの」と擁護産経新聞)』
記事内にある「この問題は被虐的に考えない方がいい」という石原氏の言にこのグループの基本的な考え方が表れていると思う。

一方、このグループに近く、似た主張を行うグループとして、次のグループが存在すると考えられる。

  • 従来から存在する街宣活動を行う右翼
  • ネット上で排他的な言動を行う、いわゆる「ネトウヨ」と称されるグループ
  • 上記から派生してきた「在特会」等の、従来の街宣右翼とは異なる街宣活動をするグループ

この投稿では、以降このグループ全体を愛国心重視派」と呼ぶ。
(注)「近隣協調派」と同様にできる限り批判的なニュアンスのない用語を選んだつもりだが、もしそう感じる人がいればそのような意図は全くないと申し上げつつ陳謝したい。肯定でも否定でもない中立的なニュアンスの用語として選んだ点重ねて強調したい。


韓国、慰安婦問題では一つにまとまる世論

韓国は、民主化以降、親米の右派と親中・親北朝鮮の左派という2つの政治的勢力が激しく対立し、世論の一致をみない国だ。ただ日本が相手となると、立場や思想の差を越えて一致団結し糾弾が行われる。特に慰安婦問題は、2011年8月30日に、韓国の憲法裁判所が慰安婦および原爆被害者の賠償請求権に関する日韓間の解釈の相違、すなわち日本は日韓基本条約で全て解決済みとするのに対し、韓国は、慰安婦と原爆被害者の賠償は日韓基本条約での賠償範囲でないという見解なのだが、その相違を放置した韓国政府の不作為について違憲判決(参考:【韓国】 従軍慰安婦及び原爆被害者に関する違憲決定)を出してから以降、韓国は政府も世論も一致団結して日本に対して慰安婦に対する賠償を強く求め続けている。
韓国の意図は明らかだ。
一つは日本から、慰安婦の賠償金を得ること。そして慰安婦問題を広く日本の植民地政策への非難に繋げ不法占拠した竹島の領有を正当化することだ。

ところで、あまり日本では知られていないが、日本の慰安婦制度とよく似た慰安婦制度を韓国も持っていた。(Wikipedia)
日本の慰安婦制度に対する執拗な非難とうらはらに、韓国自ら行ったこの慰安婦制度について韓国政府は口をつぐむ。
念のため記述するが、うり二つのよく似た制度を韓国が運営していたからといって、日本の行ったことを正当化しているわけではない。日本は日本のこと。韓国は韓国のこと。全く別物だ。
ここで指摘した意図は、韓国政府は日本の慰安婦制度に対する非難を外交カードに使っているだけであり、被害をうけた女性の保護が主目的ではないという点について、その傍証のために指摘しただけだ。すなわち、もし被害女性の保護のために日本を糾弾していると仮定すると、同じ韓国の女性が被害者であるこのうり二つの行為について、その扱いの差について合理的な説明はできないからだ。

もし韓国政府が、このそっくりな制度による女性の人権被害について真摯に向き合い、区別をつけることなく被害女性に謝罪し補償を行なった上で、そのうちの日本の慰安婦の補償を日本に求めていたら、日本の世論は全く違うものになっていたのではなかろうか。
韓国は自国に都合の悪い部分は頬かむりし、一方的に日本を非難している。でもそうすれば日本は単に冷徹に反論するだけ。外交とはそういうものであり、それが日韓の慰安婦問題の歴史である。

なお、この文章は韓国に対する批判を目的にしていない。私の書きぶりが悪く読者がそうとったならそれは私の真意ではない。
私は、日本の2つのグループと韓国の相互関係を説明したいだけだ。そのためには、韓国の主目的は外交だと説明する必要があり、この指摘を書いた。
再々であるが、誤解のないよう追記しておきたい。


日本の2つのグループと韓国との相互関係

慰安婦問題の構造

この3つの関係を図示すると、次のようになる。

f:id:the_sun_also_rises:20130531101422p:plain

今回の橋下氏の発言もそうだが、慰安婦問題は、この中では「愛国心重視派」の言動により問題に火がつくことが多い。
この前提として、韓国の各層、政府であったりVANKのような在韓の団体であったり在米韓国人団体であったりが、慰安婦問題をクローズアップするために、慰安婦像を作ったり慰安婦非難決議のロビー活動を通じて、国際世論(特にアメリカの世論)を誘導しようとしていることを指摘せざるをえない。こういう韓国の行動に対し日本の愛国心重視派はいらだっている。そしてそのいらだちが「慰安婦は当時の売春婦だ」などという発言を誘発することになる。
確かに慰安婦問題に火をつけるのは日本の愛国心重視派ではあるが、火種をばらまいているのは韓国だ。
既に火種はそこいら中にばらまかれている。
これが慰安婦問題が生じ続ける理由の一つだ。

慰安婦問題のメインプレーヤーは三者三様に利益を得ている

韓国

韓国は、慰安婦問題の火種を様々なところでばら撒くことにより、日本の愛国心重視派の暴発を待っている。それが起これば強く非難し、国際世論を韓国優位に誘導しようとする。愛国心重視派の言動は、韓国国民の怒りと団結を生み、日本への非難材料を与える。
それは韓国にとっては、必ずしも悪くない状況だといえる。「日本が悪いのだ!」という韓国の非難に説得力が加わるからだ。

近隣協調派

韓国の世論と政府が反応すると、次の出番は日本の近隣協調派だ。韓国からの非難は彼らの主張にお墨付きを与えるような効果がある。
そしてここぞとばかりに「日本側に問題がある。日本こそが改める必要がある」という主張を展開する。
慰安婦問題の場合、女性の人権を尊重するという側面が強調されることで、この批判は正論となり説得力を持つ。
しかし、正論であり説得力を持つからこそ、異論を持つ人を追い込むという側面がある。近隣協調派の問題は、国民感情に鈍感なところなのだろう。確かに彼らの激しい批判により、大多数の国民は問題発言をした個人を批判的に見る。(参考:橋下氏の慰安婦発言「不適切」75% 維新支持も急落)しかし、その一方で、「なぜ日本だけがこのようにひどく批判されなければならないのだ!」と憤慨する人も育てる。確かに、韓国も、アメリカも、ロシアも、日本も、戦争をしたすべての国が、戦争における自国の性暴力の問題に頬かむりしている*3のだから、あながち間違った感情というわけでもない。そうやって彼らは少しずつ同じ憤りを持った人の集団=愛国心重視派に近づいていく。
近隣協調派は、韓国がばら撒いた火種に愛国心重視派がマッチで火をつけた火事を、うちわであおいで大きくしていくような役割を演じている。

愛国心重視派

かくして、問題発言をした愛国心重視派の当事者は日本の国内世論からも海外からも袋叩きにあい損失を被る。しかしそれに憤慨する人は少数とはいえ存在する。そうして愛国心重視派は着実に支持を増やす。問題発言をした当事者は、彼らの中ではまるで殉教者のように見られているのかもしれない。

利益を得るからこそ、この問題は終わらない

慰安婦問題の3つのメインプレーヤーが、慰安婦問題で騒動がおこる都度、少しずつ利益を得る。そして、「韓国&近隣協調派」と「愛国心重視派」との間は、お互いに相手に対する憤りが増大する。
その憤りは、次の騒動の燃料となる。
これが二つ目の慰安婦問題が生じ続ける理由だ。


強引に国内を抑え込んだ一方的な謝罪は、反って二国間関係を悪化させる。

一般的に言って、「国内に相反する意見が存在する問題について、一方の意見を押し込めて相手国に謝罪を行った場合、その謝罪は相手国との二国間関係を改善するどころか、反って悪化させる」と私は考えている。
確かに謝罪を行った瞬間は、一時的に両国関係は改善する。しかしその一方で押し込められた意見を持つ勢力は不満を大きく抱えることになる。そして謝罪に対する批判を行う。しかしその反対勢力の批判に対しては相手国がすぐに反応し非難することになる。そしてそのフィードバックに謝罪を肯定する国内勢力が加わり、国内の衝突が激化する。それを何度も繰り返していく間に、二国間関係は悪化していく。
慰安婦問題は、正にその証左となる事例である。

河野談話の罪

河野談話に対する批判は、その内容について行われることが多い。しかし私は「広義の強制はあったが狭義の強制はなかった」とかの河野談話の中身の議論にあまり興味がない。
私は河野談話を発表するという行為そのものが、国内および国外の政治勢力のダイナミズムを軽視した暴挙であり、この時点から、日韓の間では上記で説明した「対立増大のサイクル」が回り始めたと考えている。
例え談話の内容がどのようなものであったとしても、結果は変わらなかっただろう。
今や、河野談話が発表された当時より日韓関係はこじれ、対立が深まり、日本国内で反韓排韓デモが頻発するようになった。
それは「日韓の対立を促す構造ができてしまった」必然の結果だ。河野談話慰安婦問題だけが原因とは言わないが、対立を促す構造の重要な一部分であるのは間違いがない。
そして河野談話の発表後も、韓国に新政権ができる都度、時の政府が韓国の求めに応じ歴史に対する謝罪を繰り返し行ったことで、「対立増大のサイクル」は確固たるものになってしまった。
国内の意見を押さえつけて他国に謝罪することは、英断でも蛮勇でもなく、単に必要な議論を省いた民主主義にあるまじき愚挙でしかない。
他国への謝罪は、面倒でも国内で議論を重ねコンセンサスを得てから行わねば、全く意味がないどころか害悪のみ残る。そのつけは未来の日本国民が払い続けることになる。国内のコンセンサスができなければ、他国へ謝罪してはいけない。謝罪を決定するための順序と手続きを軽視する愚は、もう犯してはならない。

覆水盆に返らず。もし河野談話を見直ししたらその影響は?

河野談話について、安倍政権は見直し、あるいは、撤回を図るのではないかとうわさされている。
安倍首相も、そのことについては口を濁している。
しかし、上記に示した「対立増大のサイクル」に、河野談話の撤回という行動をあてはめて考えれば影響は自明だろうと思う。
河野談話を撤回するという動きが少しでも生じただけで、韓国は激しく反応する。そしてそれに呼応して近隣協調派も激しく非難を始める。それどころか、今度は欧米や東南アジア諸国、中国、ロシアなども巻き込み、日本は孤立し袋叩き状態となるだろう。
現に橋下発言を巡っては、アメリカ、中国、ロシア、EUなど主だった国、機関が非難している。
自国のことを棚に上げてと憤る気持ちはわからないでもない。しかし、女性の人権を軽視する国という謗りが自国に飛び火しないよう、それぞれの国は溺れかけた国をここぞとばかりに叩くのが国際政治というものだ。そこにあるのは、「人権を守る」という世界の現状を見ると偽善めいてみえるが、人類にとって普遍的な価値観と、自国の都合の悪いことは全て棚に上げ知らんぷりを決め込む利己的な各国の姿との奇妙な混合物だ。

河野談話の発表そのものについては、愛国心重視派が非難するように、私も愚かな行為だったと思う。それは、日韓関係を反って悪化させただけだ。そして他国が頬かむりする戦争での性暴力の問題について、日本だけがスケープゴートになった。
しかし、その談話を見直したり撤回したりする行動は、近隣協調派の言う通り、戦争における性暴力を正当化する国だとの非難を集め、その結果日本は不名誉な孤立を余儀なくされる。そして窮地に追い込まれるだろう。それは国内の世論形成を省いて安直に河野談話を発表したこと以上の愚策だ。
覆水盆に返らず。
一旦出してしまった談話は、未来永劫守り続けねばならない。


対立増大のサイクルは逆回転するか?

慰安婦問題を解決するには、河野談話を撤回するのではなく、この対立増大のサイクルを逆回転させ、対立縮小のサイクルを回さなければならない。それが真の和解に繋がる。
それは可能だろうか。
私は、一度だけ、このサイクルを逆回転させる試みがなされたと思っている。
いわゆる「償い事業」だ。
しかし真の和解を目指したこの事業は各勢力から散々に叩かれ、結果として日韓の和解には役立たなかった。(その他の国での事業には意味があったと思う)
それは慰安婦問題のメインプレーヤーである三者それぞれの政治的なダイナミズムが、真の和解を願った関係者の努力を踏みにじったからだと思う。しかし、それは、もし仮に真の和解が成立したらという仮説をたててみると、その理由は単純だとわかると思う。真の和解が成立した時、韓国は外交カードを失うという不利益がある。近隣協調派は韓国が不満を持てばそれに呼応するだろう。そして愛国心重視派は韓国という格好の非難の対象を失う。
「償い事業」については、各勢力とももっともらしい理由をつけて反対していたと思うが、リアリズム的には「不利益があるから反対するのが当然」としか見えない。
真の和解とはかくも難しく、たやすく壊すことができる。
だから、世界から戦争や紛争がなくならないのだ。

「償い事業」に関しては、江川紹子氏の「日本が誇るべきこと、省みること、そして内外に伝えるべきこと~「慰安婦」問題の理解のために」の一読をおすすめしたい。


残る日本の選択肢

  • これ以上の安易な謝罪は禁物だ。
  • 償い事業のリニュアル版も同じ結果=失敗に終わるだけだ。
  • 河野談話の撤回や修正は絶対にやってはいけない。

これらを守りつつ、日本ができることは限られている。
ダメージコントロールに徹すること、それ以外に方策はないと思う。

どのようにダメージコントロールするか

  • 河野談話の踏襲を宣言する。
  • その上で、政府として女性の人権の尊重の重要さを十分認識していることを主張する。
  • 一方で、戦後68年の永きに渡り、一切の戦争を行わず平和主義に徹したことを強く主張する。
  • 慰安婦問題についても、過去数度にわたる謝罪を行ったこと。償い事業も強調する。
  • 過去は返らない。未来に向けて日本は歩むことを強く宣言する。

偽善だと批判されようと、なんといわれようと、毅然と言い続ける。
日本は性暴力国家だという誹謗には、戦後68年の永きに渡り戦争による性被害を出していない国であり、大国の中でそのような国が他にあるか?と強く反論する。少なくともそれに対して、アメリカ、韓国、中国、ロシアはそう強く非難できないはずだ。
そして、少なくとも今後数十年、例えば戦後100年となる2045年ぐらいが区切りになる可能性はあるが、それまでは日韓関係はどうせ反発しあうのだと達観しておくことも必要だろう。そうすれば、韓国発の一つ一つの苛立つ出来事にあまり憤りをもたなくなるから。
もしかすると、そういった国民の達観が、ほんの少し、日韓の雪解けを運んでくるかもしれない。

2014/5/7 誤字訂正(×協調→○強調)

*1:内田氏はアメリカの陰謀論も度々ブログに書いている。この件と直接関係はないが、沖縄問題におけるこういった記事から氏のアメリカに対する見方が垣間見られると思う。「さよならアメリカ、さよなら日本」http://blog.tatsuru.com/2010/06/01_1216.php

*2:このグループも前述の近隣協調派も、現状のアメリカ中心の国際秩序を変えたいという根本欲求があるように見える。

*3:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%80%E3%82%A4%E3%83%8F%E3%83%B3 http://megalodon.jp/2010-0817-1927-00/kankoku-020115.tripod.com/vietnam_war/miscellany/watasinomura.html http://www.jiji.com/jc/zc?k=201305/2013052600172 http://www.amazon.co.jp/dp/4560092087 http://www.amazon.co.jp/Far-Bamboo-Grove-Puffin-Books/dp/0140323856/ref=sr_1_1