日はまた昇る

コメントを残したい方は「はてなブックマーク」を利用してください。

いつも選挙で争点にならない各党の「安全保障政策」分析

参議院選挙が終わり様々な分析や感想が投稿されている。私も次の記事をブログに書いて投稿した。
thesunalsorises.hatenablog.com

私は、各党の政策のうち、外交、安全保障政策を重視するのが常だが、外交、安全保障政策については、選挙の争点になることがほとんどない。安全保障政策が国政選挙の勝敗を左右したことは過去一度もなかったのではないかと思っている。
それでも台湾周辺や東シナ海における中国軍の活動は近年より活発、攻撃的、挑発的になってきており、外交、安全保障政策の重要性は年々増していると主張したい。
そこで、今回の参議院選挙で主要政党が掲げた外交、安全保障政策をまとめ、評価してみたいと思う。

立憲民主党

専守防衛に徹しつつ、日米同盟を深化させます。」
立憲民主党の政策パンフレット*1に書かれたキャッチフレーズなのだが、トランプ大統領相手にこんなことできるのか?が最初の感想だった。
トランプ大統領は、片務的な日米安全保障条約に繰り返し不満を表明している。トランプ大統領日米安全保障条約を双務的にすることを求めているのは自明と思うのだが、立憲民主党トランプ大統領の不満、要求に対しては完全にゼロ回答し、その上で日米同盟を深化させると主張している。
支持者はここに矛盾があると感じないのだろうか?
私には、立憲民主党には、従前のいわゆる護憲勢力専守防衛に必要な最小限の戦力を保持する*2と主張する人々と、昨今の中国の軍事力増強を受けて日本も対抗できる防衛力が必要だと考える人々が存在し、この2つの人々の間には防衛政策について根本的な不一致があるのではないか?と疑っている。
www3.nhk.or.jp

次に各党の安全保障政策で賛否が分かれるものについてまとめておきたい。

  • 双務的な日米同盟:反対
  • 長距離対地ミサイル保持:反対
  • 核兵器シェアリング:反対
  • 辺野古新基地建設:反対

出典*3

国民民主党

国民民主党の安全保障政策は、主に北朝鮮核兵器開発を念頭に、拡大抑止つまりアメリカの核兵器による抑止(いわゆる核の傘)を最初に主張しているところに特徴がある。その一方で争点と思われる長距離対地ミサイル(いわゆる敵基地攻撃能力)の保有を含め、通常戦力をどうするか記載が見当たらない。
核の傘によって通常戦争を抑止できるかについては議論がある。しかし中国が日本の領土に通常爆弾でミサイル攻撃したとしても、アメリカ軍が核兵器で反撃するかと言われればNoだろう。日本の国土は日本が守る。国民民主党尖閣諸島など固有領土を守り抜くと政策には書いている。一方守るためには通常兵器は必要なはずなのだが、どのような通常兵器をどういう戦略に基づき準備しするか書いていないのは責任ある国政政党といえるのか疑問に思う。

  • 双務的な日米同盟:一部双務的に
  • 長距離対地ミサイル保持:不明
  • 核兵器シェアリング:前向き
  • 辺野古新基地建設:再協議

出典*4

参政党

参政党は今回の参議院選挙ではじめて有力な国政政党になったばかりだ。安全保障政策に限らず他の政策も大雑把な方向性しか示していない。
「人権侵害や法の支配を破壊する(力による一方的な現状変更を試みる)国家に対しては、日本の地政学的状況と国益を踏まえて毅然とした対応をとる。」とは書かれているものの、毅然とした対応とはどういうものかはあいまいだ。神谷代表が著書で主張している「自衛軍」による抑止とは具体的などのようなものか、今後、安全保障政策をより詳細化する必要があるだろう。

  • 双務的な日米同盟:不明(選択肢としては否定していない)
  • 長距離対地ミサイル保持:不明(選択肢としては否定していない)
  • 核兵器シェアリング:不明(選択肢としては否定していない)
  • 辺野古新基地建設:不明

出典*5

日本維新の会

日本維新の会の安全保障政策の柱は、防衛費のGDP比2%の肯定であろうと思う。しかし、このGDP比2%の防衛費をどう使うべきかという主張がないようにみえる。唐突にアメリカとの「原子力潜水艦の共有」*6のようなトピックが出てくるが、これは核シェアリングのことを言っているのかもしれない。しかし断定はできない。安全保障政策全体を通じて、あいまいな印象を受ける。

  • 双務的な日米同盟:不明(前向きと思われる記述はある)
  • 長距離対地ミサイル保持:不明
  • 核兵器シェアリング:不明(前向きと思われる記述はある)
  • 辺野古新基地建設:不明

出典*7

日本共産党

知っている人も多いと思うが、日本共産党の政策に防衛力による「安全保障政策」は存在しない。日中関係についても、外交によって「互いの脅威にならない」という2008年の合意を順守するよう中国に働きかけるとしている。その一方で、防衛費は大幅に削減することを主張している。

  • 双務的な日米同盟:反対(そもそも日米同盟そのものに反対と思われる)
  • 長距離対地ミサイル保持:反対
  • 核兵器シェアリング:反対(アメリカの核の傘も反対)
  • 辺野古新基地建設:反対

出典*8

れいわ新選組

戦争ビジネスには加担しないというスローガンのもと、防衛力による安全保障政策は否定している。政策には「アメリカと中国が対立を深める中でも、平常心を保ち、経済成長と平和外交で国民経済を豊かにします。」と書いている。日本が平常心を保つと、なぜアメリカと中国が対立を深めても平和が維持できるのか、ツッコミどころはとても多い。「中国との関係を重視し、緊張する米中関係の橋渡し役を担い、緩和に努める」とも書いているので、旧民主党鳩山政権時代の「友愛の海」*9外交に近い考え方のように思える。

  • 双務的な日米同盟:反対(安保3文書廃止)
  • 長距離対地ミサイル保持:反対
  • 核兵器シェアリング:反対(アメリカの核の傘も反対)
  • 辺野古新基地建設:反対(それにとどまらず南西諸島と沖縄本島のミサイル部隊と弾薬庫の撤去を主張)

出典*10

公明党

連立与党である自民党の安全保障政策に反対はしていない。しかし、公明党としての明確な安全保障政策も公表していない。専守防衛、平和外交を主張*11しているので、党としての本音は左派政党と同様なのかもしれないが、他の政策実現を優先し、自民党に追従している。

  • 双務的な日米同盟:不明(与党として自民党に追随)
  • 長距離対地ミサイル保持:不明(与党として自民党に追随)
  • 核兵器シェアリング:不明
  • 辺野古新基地建設:不明(与党として自民党に追随)

出典*12

自由民主党

防衛3文書*13といわれる現在の「国家安全保障戦略」・「国家防衛戦略」・「防衛力整備計画」については、2022年に自民党政権によって策定された。選挙公約には詳細な記述はなくても、自民党の安全保障政策は、防衛3文書に書かれていると考えてよいと思う。この防衛3文書について、私は現実的な防衛戦略と評価している。

  • 双務的な日米同盟:推進
  • 長距離対地ミサイル保持:賛成
  • 核兵器シェアリング:不明(議論は行っていても党の方針は決まっていない)
  • 辺野古新基地建設:推進

出典*14*15

おわりに

ここまで各党の安全保障政策についてまとめていたが、共産党やれいわのように防衛3文書を完全否定する党はあっても、自民党以外に防衛3文書に賛同することを明確に書いている党はない。防衛3文書に問題があると主張するなら、立憲民主党のようにどの部分に反対かを明確にすればいいのにと思うが、国民民主党日本維新の会も参政党も明確にしていない。
外交、安全保障政策を重視する私が自由民主党支持なのは、他に選択できそうな安全保障政策を主張している党がないからだ。
日本の安全保障政策議論は、全く深まらない。
中国が荒々しく台頭する中、残り時間は少なくなっていると思うのだが、日本国内の危機感は薄い。

*1:自由貿易をリードする 日本の平和を守る - 立憲民主党

*2:立憲民主党 政策集2025「外交・安全保障」 - 立憲民主党に「現行の安保法制については、立憲主義および憲法の平和主義に基づき、違憲部分を廃止する等、必要な措置を講じ、専守防衛に基づく平和的かつ現実的な外交・安全保障政策を築きます。」と記載されている。

*3:立憲民主党 政策集2025「外交・安全保障」 - 立憲民主党

*4:政策各論 2.自分の国は「自分で守る」 | 国民民主党 第27回参議院議員通常選挙 特設サイト

*5:政策各論 2.自分の国は「自分で守る」 | 国民民主党 第27回参議院議員通常選挙 特設サイト

*6:アメリカが保有する原子力潜水艦には、攻撃型潜水艦、戦略潜水艦、巡航ミサイル潜水艦の3種があるが、どのタイプの潜水艦の共有なのかによって性質は全く違うと思う。

*7:https://o-ishin.jp/policy/pdf/ishin_8saku2025.pdf

*8:https://www.jcp.or.jp/cms/wp-content/uploads/2025/06/202506_sanin_seisaku.pdf

*9:asahi.com(朝日新聞社):鳩山首相「東シナ海を友愛の海に」 日中首脳会談で提言 - 2009政権交代

*10:基本政策 - れいわ新選組

*11:【主張】公明党の安保政策 専守防衛の中で国民の安全守る | ニュース | 公明党

*12:政策・提言 | 公明党

*13:防衛省・自衛隊:「国家安全保障戦略」・「国家防衛戦略」・「防衛力整備計画」

*14:防衛省・自衛隊:「国家安全保障戦略」・「国家防衛戦略」・「防衛力整備計画」

*15:https://storage2.jimin.jp/pdf/pamphlet/202507_manifest.pdf

参政党は政権を担える政党に成長するのか?

私は、故安倍晋三自民党総裁(当時)が野田首相(当時)の民主党を破って政権に返り咲いた時、ブログを始めた。私の政治的立ち位置、考え方などはこちらに書いているのでよかったら読んでほしい。
thesunalsorises.hatenablog.com
もうあれから13年近く経ってしまった。その間いろんなことが起こったが、日本周辺を含む世界中がきな臭さを増している時、日本の政治はますます混迷に向かっているように見える。

石破政権になってからの外交はひどい。私は自民支持者ではあるが、石破政権は支持していない*1。米の高騰に対する対応もひどかった。これでは選挙に勝てるはずはない。
衆議院少数与党であり大胆な政策はとれない。党内基盤も弱い。弱いリーダーは強い外交も行えない。だからといって昔ながらの中国へのおべっか使い外交は止めてくれ。ひどい外相だったよ*2。安倍政権時代の地球を鳥瞰した地政学的合理性のある強い外交はすっかり壊れてしまった。
そしてこの参議院選挙。
衆議院参議院少数与党という結果になった。公明党に加え他の政党との連立の枠組みを作らないと次の総選挙で政権をとることはできなさそうだ。

この参議院選挙で伸びた政党といえばまず国民民主党
国民民主党はかなり詳細な政策を掲げて参議院選挙を戦ったことは評価したい。私は外交政策と安全保障政策を重視するのだが、この点は党内で不一致があるのではないかという疑っている。杞憂ならばよいのだが政策に掲げていない点も含め党内をまとめてもらいたい*3
そして参政党。
参政党の候補者、地方議員、支持者のトンデモ発言をあげればきりがなくそれを指摘するのはこの投稿の趣旨ではない。しかし客観的に言ってこれだけの数の国会議員が6年間も所属する政党を無視して国政は語れない。
困ったものだね。
これから書くことは願望なのかもしれない。しかしこうなってもらわねば困るということで参政党の変化を促していくしかないと思う。

日本人ファースト

実に安直と思うこのキャッチフレーズだが、その安直さがこの混迷の時代に刺さった理由と思う。

  • TVをつけると外国人旅行客が起こす騒動が毎日のように報道されている。
  • ネットを見ると埼玉のあたりではクルド人が騒動を起こしたらしいと伝わってくる。
  • クルド人の中には在留許可がないまま何度も難民申請をして日本に居座っている人が多いらしい。
  • 世界に目を向けると隣国のロシアがウクライナを侵略し、まだ戦争が続いている。おかげで原油価格が上がり生活が苦しくなった。
  • イスラエルはガザでジェノサイドを行っている。ひどい状況だ。かわいそうに。
  • 中国は軍事的な圧力を台湾や日本等の周辺国に加え続け、マジで台湾有事が起こりそうだ。台湾で戦争が起こると日本も巻き込まれるぞ。
  • アメリカのトランプが掲げる25%の関税ってなんだ! 国際法違反だろう! 無茶苦茶しやがって! 日本は同盟国じゃないのか!

真実と誇張が入り乱れたこれらの情報は、重く人々に響いている。
100%デマなんてものはそんなに世の中に広まらない。私が感じるに誇張(デマ)が2~3割、真実7~8割ぐらいの比率の情報が広まりやすいように思う。
上に列挙したものは、正にそういう情報と思わないか?
外国と外国人に関するニュースは概ね日本人の心を暗くする。そういう現実が見えてこないだろうか?*4*5

参政党は排外主義なのか?

「日本人ファースト」というキャッチフレーズの裏返しと思うが、このキャッチフレーズを排外主義的と捉え参政党を批判する人々がいる。
そこで、参政党が掲げる「日本人ファースト」の中身を知りたいと思い、参政党のHPを見てみた。以下のポスターによると「日本人ファースト」には3つの柱と9つの政策があるとしている。
https://sanseito.jp/2020/wp-content/themes/twentynineteen/images/poster_sanin_election_b.webp
「行き過ぎた外国人受け入れに反対」が気にかかる人がいるかもしれない。だが移民政策(イミグレーション)は国の主権なのでこのこと自体を持って排他主義というのは言い過ぎと思う。
とはいいつつ、候補者や支持者などのこれまでの言動等をみると、参政党は排外主義的だという批判は理解できる。党公式(神谷代表)は排他主義とはいえないギリギリを理解した上をそれを狙っていると思うのだけど、候補者や支持者にはアウトのラインを平気で踏み越えているようにみえる人もいる。

だけどだ……

問題のある言動の候補や支持者や党有力者などは他の党にも多数いるよ?
立憲民主党は、原口一博氏率いる「ゆうこく連合政治協会」をなんとかしてくれよと思う。彼らの反ワクチンの主張はひどすぎると思うよ。国民民主党*6もれいわ新選組*7も反ワクチンだよね。社民党*8共産党*9はHPVワクチンに対する主張がひどかった。そしてもちろん参政党も反ワクチンだ。日本には科学リテラシーのある政党はないのかい。
でも選挙なんだから多少の誇張表現はどの党も当然のように行っているし、誇張して主張することで争点とすることは選挙の常識ともなっていると思う。
他にもトンデモ候補者がいるといっても、参政党が免責とは思わない。だけどいちいち選挙の時の誇張表現に目くじらを立ててもどうしようもない。

私の持論*10からすると、「日本人ファースト」というキャッチフレーズは誇張の度合いがちょうどよくて人々に刺さったのではないかと思う。
一方「参政党は排他主義だ!」と、左派政党、左派系新聞、左派の人のSNSに加え、左派系TVも中立を求められるタブーを破って批判に回っていた。でもその必死さが逆に私には「寄ってたかってヒステリックに感情的非難を行っている」*11ように見えた。日本人には判官びいきという感覚がある*12。参政党は排他主義という批判に同意する人々は参政党には絶対投票しない人である一方で、これだけ多方面から参政党が取り上げられたらアナウンス効果は大きかったろうと思う。悪名は無名に勝るのだ。

参政党の限界

選挙の時に各党が発表する政策には、党内の不一致があり政策にまとめることができない項目は、あえて書かず発表する政策にはいれないという対応をする政党がかなりある。
参政党については、「参政党が創る新日本憲法(構想案)」がHPに掲示されている。
憲法というのは、統治機構と人権についての規程が必要だとされる。
だが参政党の新日本憲法(構想案)には人権の規程がほとんどない。人権をどう定義するのかがまだ党内不一致なのだろうと思う。

ちなみに自民党憲法草案には人権の規程がある。それは左派から大きな批判の的となっているが、それも書いているからこそ批判を受けるともいえる。
政権をとれば、その党がやりたくないことも現実の問題として対応しなければならない責任を負う。
どんなに批判を招こうと、自分たちはこうしたいと考えているということを全部表明する。その先に政権運営能力の獲得という段階があるのだろうと思う。
自民党以外は、参政党も含め他の党もまだその段階に到達していないように思える。

早期解散へ

衆議院参議院少数与党の状態であれば、早晩政権は運営に行き詰まる。だからといって現在の政権は泥船であり、こんな泥船に乗るバカな野党は存在しない。政権運営が行き詰まれば解散に打って出るしか残る手はなくなるはずだ。
石破首相は政権の維持に意欲を示したが、自民党は追い込まれて総裁選を実施して総裁を変え早期に解散するとみている。それは時間の問題だろう。
しかし次の総裁の適任者が思い浮かばない。トランプ、プーチン習近平。世界には狂気のリーダーが君臨している。彼らと伍してやっていけるリーダー。少々狂気をはらんでいようとも強いリーダーが必要だ。そんな人が自民党にいるのだろうか? いや野党まで見渡してもそんな強いリーダーが日本の政治家にいるのだろうか?

ところで早期解散という点については、参政党の神谷代表もそう予想して支持者に訴えていた。
news.yahoo.co.jp
小泉政権のいわゆる郵政選挙以来、日本の国政選挙は改革への期待を受けた側が勝利している。今回の選挙も改革への期待を受けた参政党が勝利した。
次の総選挙まで参政党は改革への期待を保持し続けられるか、これが今後の日本の政治の流れを決めると思う。

外国人問題

国政選挙の一丁目一番地の争点は、常に経済政策、景気対策だ。
自民党の経済政策、景気対策は全く有権者の心を動かさなかった。最大の敗因と思う。
だが各党の打ち出した経済政策、景気対策が、勝者を決める決定打になったとは思わない。というのも、野党が打ち出した政策はどの党も相当の予算措置が必要な減税、特に消費税減税であって実現可能性に疑問符がついた。絵に描いた餅だと思った。
一方で、外国人問題は、左派系の政党が強い参政党批判に回り、右派系政党は参政党だけでなくその党なりの外国人問題政策を訴えていた。
これだけ政党間で明確に二分化した争点がある国政選挙は久しぶりだと思う。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250710/K10014858841_2507101146_0710115226_02_03.jpg
(出典:参議院選挙 争点 政党 政策アンケート 「外国人労働者」 | NHK | 参議院選挙
外国人問題が選挙の争点になったことで、参政党は勢いを得た。
外国人問題が衆議院解散(次の総選挙)まで争点であり続けるかどうかは、参政党の勢いが今後も続くかどうかのカギだと思う。
この違法外国人に対する政策を国会でとりあげなければ参政党の勢いは落ちていくと思うので、主に参議院では違法外国人問題が焦点になりそうだ。参政党側に立って考えると、違法外国人問題についてなんらかの立法が行われて問題がひとまず解決の方向に動くと党勢にはマイナスの影響がでると予想する。逆に違法外国人問題を端緒にしてさまざまな外国人問題を結び付け問題を大きくしていく方が参政党の党勢拡大のためには有利と働くだろうと思う。なので外国人問題について参政党はさまざまな物議を呼ぶ発言を今後も続けるのだろうと思っている。その発言に左派系政党が食いついてくれれば問題をアピールできるので儲けものだものね。

保守層の動き

安倍政権のころは保守層に対する自民党のグリップは強くて、それが安倍政権時代の国政選挙勝利を支えていた。
しかし岸田政権→石破政権と自民党内のリベラル派の政権が続くことで自民党に対する保守層の支持は剥がれ落ちてしまった。参政党はそれら自民党から離反した保守層の受け皿になっている。
保守層は既に一定の厚みがあるし、またアメリカ、ロシア、中国など超大国国益を強く主張し国際的な軋轢を起こし、場合によっては戦争も辞さずという姿勢から考えると、今後の国際情勢は厳しさを増す一方であろうことから、日本人の防衛的思考は高まっていき、保守層は更に増加すると思う。
自民党支持者としてはなぜ昨年石破氏を総裁に選出したのか未だに理解できない。私には石破総裁になれば保守層の支持を失い党勢が落ちることは自明にみえたのだけどね。今回の結果は自業自得というか自民党の自殺と思っている。総裁選で石破氏に投票した国会議員、党員は将来を予測する能力が決定的に欠けていた。一言で言えば愚かだよ。
これから自民党が大きく保守回帰を行ったところで保守層は自民党支持に戻ってこないかもしれない。戻るとしても長い時間がかかるだろう。
参政党の党勢は今後しばらく続くと思う。
自民党の現状の党勢から鑑みて、自民党は保守層の協力なくして安定した政権運営はできないので、自民党から参政党へ何らかの協力要請が行われると思う。

日本の政治情勢は大きく変わりそうだ

今回の参議院選挙では、党組織の高齢化が進む公明党共産党が党勢を落としていることも注目したい。
時が進むにつれ公明党の集票力が衰えるため、自公で国政選挙を勝つことはますます困難になることが予想される。
また共産党も時間の経過とともに党勢を落としていくと思うが、そうなれば連合主導で左派政党の選挙協力の機運が高まると思う。左派にとって、今回の国民民主党の躍進は旧民主党勢力の合同への期待感が増す結果だったろうと思う。
日本の国内政治の構造は、次の総選挙の結果に関わらず、大きく変わっていくだろう。
もし参政党が次の総選挙でも勝ち、自公+参政で衆議院過半数を得るようだと、自公参政権が誕生するかもしれない。
もし立憲民主党、国民民主党の全面的な選挙協力が行われれば、自公政権から立国政権に政権交代するかもしれない。
これから次の総選挙までの短い期間、もしくはその後もしばらく、日本の憲政史上あまりない激動期を迎えるのではないだろうか。

最後に

参政党の躍進をよかったと喜ぶ気持ちは全くない。期待はしていない。
だがこれが国民の意思である以上、受け入れるしかない。
多少の軋轢は我慢するし、かなり多いだろうと予測される失言については大目にみざるをえないと思うが、それでも排外主義的傾向を強く出さないでほしい。
有力な国政政党になった以上は、耳目を集める目的で過激な表現をする段階からは卒業し、より現実的な政策への転換を図ってほしい。特に安全保障政策は現実的であるべきだ。
きな臭さを増す一方の台湾周辺と東シナ海における我が国の防衛力強化に向けて、政局を超えて右派政党の一致団結と協力を願っている。

*1:とはいえ、あまりに大敗しそうだったので自民党へ投票はした。

*2:保守層の離反の大きな原因の一つと思う。例:自民 萩生田氏 岩屋外相の中国めぐる外交姿勢に苦言 | NHK | 日中関係

*3:国民民主党の安全保障政策は、それなりに詳細ではあるものの、通常兵力による防衛力強化に消極的な印象を受ける。 政策各論 2.自分の国は「自分で守る」 | 国民民主党 第27回参議院議員通常選挙 特設サイト 国民民主党の政策には拡大抑止つまりアメリカの核兵器による日本に対する攻撃の抑止=核の傘による抑止をとりあげている一方で、通常兵力をどうするか書かれていないのはやはりより重要な議論から逃げた感がある。核の傘の議論も、その他の国民民主党があげる安全保障政策も重要であることに異論はない。だがそれらすべてが通常兵器による防衛力の在り様、戦略によって大きく影響を受けるものであり、一番重要なことを避けて防衛論を展開しているように見える。やはり通常兵力についてどうすべきかという点について党内で意見が割れているのではないか?という疑義が晴れない。

*4:これも誇張がある表現だけど。文章の流れ的に書いた。

*5:明るい国際ニュースといえば大谷翔平選手の活躍のニュースだけに思える。

*6:須藤元気氏の国民民主党公認がなぜアウトなのか?超えてはいけない「向こう側からの帰還」を考える(FORZA STYLE) - Yahoo!ニュース

*7:れいわ・大石氏、立民・原口氏提訴方針のコロナワクチン会社を非難 「国民への脅し」 - 産経ニュース

*8:子宮頸がんワクチンについて厚労委で問題を提起しました|記事|衆議院議員 あべともこ/立憲民主党(神奈川12区/藤沢市・寒川町)のホームページ

*9:HPVワクチン副反応/被害者の実態つかめ 高橋議員

*10:100%デマなんてものはそんなに世の中に広まらない。私が感じるに誇張(デマ)が2~3割、真実7~8割ぐらいの比率の情報が広まりやすい

*11:共産党支持者と思しき老齢の女性の集団が「強い怒りを持って参政党を非難する!」というシュプレヒコールをあげている現場もみたのだけど、「怒り」いう言葉を軽々しく使うべきではないなとつくづく感じた。それはとても感情的な言葉でややもするとヒステリックな印象を受ける。

*12:法律やルールを守りよき隣人として暮らしている外国人が個人的に排他主義はやめてほしいと訴えているなら同情心は揺さぶられるよ。だけど左派政党も左派系新聞も左派系TVも全部「権力側」なんだ。彼らは自分自身の権力行使に無頓着すぎると思う。もし効果的に参政党を批判したいなら、こういう実態(【悲報】ブルーワーカー、ホワイトワーカーよりはるかにリベラルだっ)を現場の人へのインタビューを通じて報道した方が圧倒的によいと思う。偉そうな政治家、記者、アナウンサーやペンクラブ会長のような肩書を持つ人などが批判するのは逆効果だってそろそろ学んだらいいのにと思う。

ウクライナ戦争は第二段階へ

https://understandingwar.org/sites/default/files/Kyiv%20Battle%20Map%20Draft%20March%2020%2C%202022.png
(出典:IGW)

ウクライナの善戦、キーウは陥落していない

3月6日に次の投稿を書いた。それからもう2週間。様々な動きがある中で戦争は続いている。
thesunalsorises.hatenablog.com

上記の投稿を書いた2週間前。私は本気でキーウ(キエフ)の陥落を心配していた。キーウ攻防戦での破壊で多数の犠牲がでることを恐れていたし、キーウ陥落後の更なる犠牲を心配していた。
だが私の予想は外れ、キーウは持ちこたえている。ロシア軍の攻撃は停滞している。このままならキーウは持ちこたえるように思える。そのことは喜ばしい。
しかし遠距離砲撃と空襲によるキーウの破壊は進み悲劇は続いている。キーウ攻撃はまだまだ終わらない。

もっと大きな惨劇の場となったのは、南部のマリウポリだ。多数の犠牲者に言葉を失う。マリウポリはロシア軍が完全包囲しており、ロシア軍が航空優勢をとっているようだ。こうなるとロシア軍は残虐な破壊を行う*1チェチェンでもシリアでもそうだった。マリウポリは陥落するという観測が流れている*2

一方、ロシア軍は明らかに兵站に問題を抱え、東部と南部の一部の地域を除き航空優勢をとれずにいる。その結果、ウクライナ軍の反撃で消耗を続け、かなりの被害がでているようだ。
ロシア軍は極東に配備していた部隊を引き抜き、オデーサ(オデッサ)攻撃の予備部隊と見られていた海軍歩兵部隊も東部に投入しており、戦争を維持しようとしている。外国人傭兵も投入している。だが集中的に部隊を投入するのではなく、広く分散して部隊を投入しているようなので、大きな侵攻ができずにいる。
戦線は膠着し、消耗戦の段階に入ったと思う。
 

ロシアの継戦意思

この戦争の敗北はプーチンの失脚(暗殺)を意味する段階まで来た。プーチンに後はない。情報統制を強め、ロシア国内の戦争反対の声を力で封じ込めている。
ロシア国民の多数はプーチンの流す偽情報を信じ、ウクライナ戦争を支持している。
ロシア国内では経済制裁による問題が起こっているようだが、それが嫌戦ムードにつながってるかというとまだ疑問符がつく。
総合するとプーチンは戦争をまだ続けることができる国内情勢だと思う。
 

破壊と消耗、化学兵器と核攻撃の可能性

上記から総合すると、今後起こるのはロシア軍による無差別の都市攻撃と、ウクライナ軍の反撃によるロシア軍の消耗だろう。
ロシアは民間人の被害を大きくしてウクライナ国民の継戦意思をくじこうとするだろう。ウクライナの民間人の犠牲がますます増加する。先は見えない。
一方でロシア軍は消耗が続き、士気は低下し、壊走の可能性が増加していく。
ロシアの勝利はなくなったと思う。
しかしそれは直ちにウクライナの勝利を意味しない。
ロシア軍は敗北をさけるため、化学兵器核兵器を使うのでは?と強く懸念されている。
ロシア軍は「キンジャール」という核兵器搭載可能なミサイルでウクライナ西部の軍事施設を攻撃した*3
軍事的にみるとこの攻撃が「キンジャール」である必然性はないので、これはロシアによる核使用の脅しのメッセージとみるべきではないだろうか。
www3.nhk.or.jp
 

NATO軍の増派が必要だ。

もし化学兵器核兵器が使われウクライナの抗戦意思が挫かれロシア優位の停戦協定が結ばれれば、それは新たな世界秩序の始まりとなるだろう。
それは軍事力に屈服し軍事力で現状を変えることを容認する世界だ。
それでいいのか!と強く訴えたい。
その世界の行きつく先は第三次世界大戦ではないのか?と広く聞きたい。
ウクライナ軍が持ちこたえている状況で、ウクライナの政体と軍を維持したまま停戦する。それに向けてNATOはより強い態度を示すべき時ではないか?
前述のとおり、ロシア軍はありとあらゆる予備兵力をかき集めてウクライナ戦争に投入している。兵器も糧食も兵員も足りない状況と思われる。こういう時にこそ軍事圧力が効く。
NATO各軍をロシア、ベラルーシウクライナ国境に集結させ力を誇示した上で、NATO(実質的にはアメリカ)はロシアとの外交交渉を行うべきと思う*4
日本は憲法9条の制約で明確な軍事圧力を加える行動には制約があるが、オホーツク海での対潜作戦訓練を実施するなど、日本も憲法の範囲内でロシアにメッセージを送る方法はある。

バイデン大統領は1941年のルーズベルト大統領になってはいけない。
ルーズベルト大統領が1941年に日本の海外資産を凍結し石油などの全面禁輸という経済制裁を行った結果(ABCD包囲網の完成)、日本は追い詰められいろんな理由をくっつけて対アメリカ(イギリス、オランダ)戦争に突入した。
それは強力な経済制裁の結果、このままでは国が持たないとみた日本が、軍事的には手薄アメリカ、イギリス、オランダの植民地を奪うことで局面を打開しようとしたからと私は考えている。
経済制裁には軍事的な裏付けが必要だ。
さらに経済制裁の効果がでるまでは時間がかかる。
数週という期間で成果を上げるには、経済圧力だけでは足りない。
バイデン大統領は1962年のケネディ大統領をみならい勇気をもって瀬戸際外交を行ってほしい。
いまこそ西側諸国はそれを支えるべく団結すべき時ではないかと思う。
 

*1:明確に戦争犯罪である。

*2:www.understandingwar.org

*3:軍事施設を攻撃したのは他のミサイルでキンジャールは別の地点に着弾したという分析もある。

*4:3/4に決定した増派だけでなく更にNATO軍を増派すべきという意味(追記)

停戦交渉に欠けているピース(piece)をそろえよ

https://www.understandingwar.org/sites/default/files/DraftUkraineCoTMarch4%2C2022.png

はじめに

これはウクライナ戦争に関する私の3つめの投稿だがこれが最後になる。この投稿が私が訴えたい結論なのでよかったら読んでほしい。
 

1つめの投稿(2月27日)

thesunalsorises.hatenablog.com
1つめの投稿の要旨は次の通り。

  • ロシア軍の攻撃軸はほぼ予想通り。大きく分けると3つの攻撃軸がある。
  • キーウ(キエフ)に向かう攻撃軸は、ゼレンスキー大統領を拘束または殺害しウクライナ政府を転覆させることが目的と考える。
  • 東部の攻撃軸は、ドンバス正面のウクライナ軍主力を大包囲し壊滅させるのが目的と考える。
  • オデーサ(オデッサ)方面の攻撃軸は、海路からの支援の遮断、補給ルートの確保と沿ドニエストルのロシア軍部隊との連絡が目的と考える。
  • ロシアにとってはオバマのヤヌコーヴィチ政権の転覆への関与(2014年)とNATOの東方拡大がこの戦争の原因。
  • ロシアはアメリカの経済制裁を予測しており、ロシア主導の経済圏を作ろうとしている。

 

2つめの投稿(3月4日)

thesunalsorises.hatenablog.com
2つめの投稿の要旨は次の通り。

  • ロシア軍の侵攻は遅れている。しかし計画通りに侵攻を続けようとしている。
  • ロシア軍は遅滞を取り戻すため攻撃の仕方を変化させるだろう。
  • ロシア軍は兵士と民間人とを区別しない破壊兵器を使い市街戦は激化する。その結果民間人の犠牲が増大する。
  • ロシア軍による東部のウクライナ軍主力に対する大包囲の試みは継続する。
  • ベラルーシが参戦する可能性がある。その場合、首都キーウとウクライナ西部の主要都市であるリビウの連絡を切断する攻撃が行われるのではないか。
  • ロシア軍が劣勢に陥った場合、戦術核兵器使用の可能性がある。
  • ウクライナによるロシアの厭戦気分を掻き立てる作戦はウクライナ勝利の唯一の策と考える。しかしこの作戦が効果を表すまでの時間はもう残っていない可能性が高い。
  • この戦争は関係国の誤謬と誤算が積み重なった結果起こったと考える。
  • アメリカのこの8年間のウクライナ政策は根本的に誤っている。ウクライナにまでNATOを拡大しようとしたことがこの地域の不安定さを招いた最大の要因だ。
  • 今回もロシアがウクライナに侵攻するのを承知で、アメリカはロシアの要求=NATO不拡大を拒否した。
  • ヨーロッパ諸国は危機の評価がバラバラで、危機対応が不十分だった。
  • ウクライナも自国の地政学的価値と危うさの評価を誤った。
  • ロシアは力の信奉者であり続けており、武力を背景に現行の国際法体系に挑戦している。
  • 開戦後、アメリカはヨーロッパ諸国などの国際世論を一気にまとめロシアへの制裁を行った。しかしその制裁の効果が表れるまでは時間がかかり、この戦争の終結には直接の効果を表さないだろう。
  • ウクライナへ武器弾薬の支援はあるが援軍はこない。ウクライナは民主主義の人身御供に捧げられたようにみえる。

 

キーウが陥落した後はどうなるか?

3月4日現在のキーウ包囲戦の状況

キーウは組織的な抵抗を続けている。ロシア軍の主攻撃軸と思われるキーウ北西からの攻撃はウクライナ軍守備網を突破できていない。しかし徐々にではあるがキーウ南西方向へ侵攻している。
ドニプロ川東岸を南下しているロシア軍は、チェルニヒフ*1を確保できずウクライナ軍防御網を突破できていない。
しかし、ウクライナ北東部のスムイからの攻撃軸において、キーウ東部に急速に侵攻しており、1、2日でキーウ東部を包囲・攻撃するかもしれない。
ウクライナ軍は善戦している。しかしロシア軍はじりじりとキーウへ迫っている。
アメリカが発信しているように数日でキーウ陥落とはならないと思うが、キーウ陥落はありうるものと考えるべきだろう。
thesunalsorises.hatenablog.com

このままだとこうなるという予想

首都キーウをロシア軍が占領したら、ロシア軍はロシア傀儡のウクライナ暫定政権を作るだろう。そして勝利を宣言するのではないかと思う。
キーウ陥落時にゼレンスキー大統領がキーウを脱出できた場合、ウクライナ西部に政権を移し抵抗を続けると予想する。ゼレンスキー大統領が拘束または殺害された場合、既にキーウを脱出し準備しているだろう後継者(最高議会議長ではないかと聞いている)が後継政権を樹立し抵抗を続けると予想する。
キーウ陥落後は、ウクライナ東部、南部の戦線でも組織的な抵抗が徐々に困難になると予想される。ウクライナ軍による組織的な抵抗ができなくなれば、市民がレジスタンス組織を構成し抵抗を続けていくだろう。
ロシアの傀儡政権がウクライナの東部、南部を支配し、ウクライナの現政権(もしくは後継政権)が西部を支配するのではないだろうか。
ロシア軍の完全勝利はありえない。だがウクライナの国土は分割され、ウクライナの国民およびインフラは甚大なる損害をこうむるだろう。
ウクライナの平原の多い国土を考えると、レジスタンスは都市型になると思われる。ロシア軍に占領された各都市で、レジスタンスの小組織あるいは個人がロシア軍の兵士、車両などを狙い攻撃を繰り返すようになると思う。
美しい町並みは瓦礫と化し、治安は強烈に悪化する。レジスタンスに対するロシア軍の反撃の巻き添えになって犠牲になる民間人も大勢でるだろうし、ロシア軍によるレジスタンス狩りによって虐殺、レイプのような残虐な事態が起こることを強く懸念する。
日本では無抵抗降伏を主張する言論があるが、その場合はロシア軍によるウクライナ軍の残党狩りによって虐殺、レイプのような残虐な事態が起こる可能性を強く懸念する。全然変わらない。
戦争では降伏後にもっと多くの被害が出ることがしばしばあることを認識しておきたい。
これが私の考える、ウクライナの一番ありうる将来像だ。もっとよい将来になるのだったら、私をののしってもらって全然問題ない。それを心から願っている。

軍事支援について

ウクライナ軍を残存させたまま停戦にこぎつけるのが、ウクライナの被害を一番少なくする方法だと強く主張したい。
ウクライナ軍が組織的な抵抗を続けるには、諸外国からの支援、特に武器弾薬の提供が必要だ。既にアメリカとドイツ、スウェーデン他、各国が武器弾薬の提供を決めている。早期にウクライナに輸送する必要がある。
しかし、それだけではいつかウクライナ軍の抵抗も潰えることになる。そして前述の悲惨な状況が待っていると思う。
ロシアに対する経済制裁はロシアに打撃を与えるだろうが、それは早くても数か月後だろう。ウクライナ軍が潰えるまでに間に合うとは思えない。
 

停戦交渉に足りないピース(piece)

停戦交渉がまとまる可能性

これまでに2回の停戦交渉が行われた。ロシアとウクライナ双方の主張の差は大きく、結局決裂した。しかしこの停戦交渉でボルノバーハとマリウポリについて民間人を逃がす「人道回廊」を開設することで合意した。だが一時停戦は順守されなかったとの報道もある*2
このままでいくと、ウクライナが継戦を諦めるまで停戦交渉はまとまらないように思える。考えたくもないがロシアには最後の手段(核兵器のこと)がある。そして前述の予想に繋がっていく。
停戦交渉がまとまらない理由だが、それはこの戦争に大きな責任がある関係国があるのに、その国がこの戦争の停戦協議に参加していないからだと思っている。

アメリカの責任

2月27日の1回目の投稿でも、3月4日の2回目の投稿でも、私はアメリカのこの8年間のウクライナ政策を強く批判した。
私はアメリカがウクライナまでNATOを拡大しようとしたことが、この戦争の大きな原因だと考えている。アメリカにはウクライナ戦争に対する大きな責任がある。
ウクライナに対して軍事援助を行う。それは必要だ。
ロシアに対して経済制裁を行う。それも必要だ。
ウクライナ敗北後、レジスタンスへの援助を議会で議論する*3。今となってはそれも必要だろう。
だがそれだけでは足りない。ウクライナ敗北後のことを議論する前にやることがあるだろう!と思う。
 

デモ、その声を聞く国はどこか?

戦争反対デモ

3月5日、日本に住むウクライナ人の呼びかけで東京と大阪などでウクライナ戦争に反対するデモが行われた。
www.youtube.com
インタビューを受けたウクライナ人の女性が、「日本人にウクライナの状況を知ってほしくてこのデモを行った」と説明した。それはきっと伝わっている。ウクライナ人が祖国の歌を歌う。言葉はわからなくても気持ちは痛いほど伝わる。日本人の大多数はロシアの侵略に反対しウクライナ人に同情を寄せている。私も同じだ。
一方、旧態依然とした「ウクライナから出ていけ~」というシュプレヒコール。これはいただけない。これは誰に向けて発しているのか? ロシア? 日本にいてそんなシュプレヒコールをあげてもロシアに届くわけないじゃないか。距離的にも政治的にも。

デモで訴える内容も訴える先も間違っている

デモで訴えるべきは、停戦協議に足りないピース(piece)があるという指摘だと思っている。
アメリカよ。停戦交渉に参加し停戦をまとめよ」
そもそもはウクライナNATO加盟の問題から端を発した戦争なので、NATOの盟主のアメリカが参加しなければどうしようもない。そして武力を前面に出すロシアと対等以上の交渉ができるのはアメリカしかない。
NATOはこの戦争に関与しなければならない。武力ではなく外交力でだ*4
デモは、アメリカがウクライナの停戦交渉に関与するように訴えるべきだと思っている。そしてデモは、日本政府にアメリカ政府へ停戦交渉に関与するよう伝えてほしいと訴えるべきだと思う。
もしこの主張が日本だけでなく世界の人々の賛同を得るようになり世界中のデモにつながっていけば、アメリカ政府の行動も変わるかもしれない。
私は普段デモとは距離を置いているが、もしこの主張が主催者のウクライナ人に届いたら、私も参加しようと思う。
私はデモに参加しようと思ったのは人生で初めてだ。
世界が「プーチンよ軍を戻せ」と軍事援助と経済制裁に期待している間、つまりアメリカの対決姿勢を支持している間は停戦にはならないだろう。
「当事者よすべてテーブルにつけ。平和に戻せ」と訴えなければ、平和は訪れない。
 

creativecommons.org

*1:ロシア語っぽい読みなのだがウクライナ語の読みがわからない

*2:ロシア軍がウクライナ2都市で人道回廊、停戦順守されずとの訴えも | ロイター

*3:https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2022/03/post-98180.php

*4:武力で関与すれば第三次世界大戦が起こってしまう。それは悪夢だ。

(投稿の補足)ウクライナ戦争 3月1日~8日の戦況

nstitute for the Study of Warというシンクタンクウクライナ戦争の戦況を分析しているので、戦況部分を翻訳*1してみた。
戦況部分をそのまま訳しているので著作権上どうなのか?とは思ったが、警告がきたらフェアユースを主張しつつ記述を削除することにして、とりあえずここに載せる。
とはいえInstitute for the Study of Warに申し訳ないので100$の寄付は行った。

3月1日現在の戦況

www.iswresearch.org
ロシアの支配地域と主な起動軸 3月1日
https://blogger.googleusercontent.com/img/a/AVvXsEgUI-Fv_XbdwSCqbNfTjHnUoZ5p5SetixRvHZRzIAW3nNU8D96Ayx6jG97T-60nwlwifcAqb2q7RZE_IBvI4hipMoJr1MQXNQFHidJOLeh3uAgus7K0SdkWPEni0shjrY7eA0H3muQYgR1NaAHkL52j1rN4dgiDyJfI8ngdISZlDiacJ2kYVdht9rGK=s16000

ロシア攻撃作戦の評価、3月1日
ロシア軍はキーウ(キエフ)の北と西で部隊の強化と補給を完了し、首都の包囲と最終的な捕獲を目的とした包囲作戦を展開しているようだ。この作戦は今後24時間から48時間の間に加速されると思われる。キーウに対するロシアの作戦は、プーチン政権の主要な作戦である。ロシア軍はまた、ハルキウ(ハリコフ)奪取、マリウポリ奪取とロストフ・オン・ドンとクリミアを結ぶ「回廊」の確保、ケルソン確保とミコライフとオデーサに向けた西への進出のための侵攻準備の3つの支援作戦を展開している。3つの支援作戦は活発で、マリウポリに対する作戦がこの24時間で最も進展している。

ロシアのキーウ攻撃は、西側からの包囲と最終的な包囲を目指す主戦力と、キーウを東側から包囲するチェルニヒフとシュミーからの支援活動で構成されていると思われる。キーウの北にあるロシアの戦闘・兵站用車両の長い隊列は、西からの包囲のための条件を整えていると思われるが、ロシア軍がキーウの北西郊外に維持している位置からキーウに直接攻撃を加えることも可能であろう。ロシア軍はキーウへの直接攻撃よりも、包囲を行う可能性が高い。

ロシア軍はハルキウ内で(スマート兵器による点攻撃ではなく)エリア攻撃兵器の使用を続け、民間インフラへの被害と民間人の犠牲を劇的に増やしている。ロシア軍はこの24時間、ハルキウに対して大規模な地上作戦を試みていないとされるが、その代わりに空爆、ミサイル、砲撃を行い、今後24~48時間以内に地上攻撃を再開するための条件を整えているようである。ロシア地上軍は、ハルキウを包囲するのではなく、北東から再び正面攻撃を行うようである。

南部のロシア軍は、ザポリージャの南で陣地を維持し、ヘルソンのウクライナ軍陣地を縮小して同市を奪取するために戦い、マリウポリを包囲して奪取の条件を整えているようである。南方でのロシアの作戦は、今後24時間以内にオデーサに差し迫った危険をもたらすとは思われない。接触線に沿って戦うウクライナ軍を遮断するために、ロシア軍がザプロジヤ付近を北上する可能性も、今後24~72時間以内には極めて低いと思われる。

ロシア軍はマリウポリを包囲したと主張し、南部のケルソン市に入ったと伝えられている。

ロシア軍は必要な物資と増援を受け取っており、今後24~72時間で、より迅速で効果的な作戦が可能になる可能性がある。しかし、キエフ周辺のロシア軍は、連隊や旅団の司令部の下で活動するのではなく、多くの異なる大隊の要素を組み合わせて、その場しのぎのグループを作っているため、まだ組織化されていない。ISWが以前報告したベラルーシとロシア西部におけるロシア軍の構成と組織の初期誤差は、キエフ周辺でのロシアの物流と作戦の失敗につながったが、これをすぐに改善することは難しく、補給問題が解決されて増援が戦場に入ったとしても、ロシアの作戦に摩擦を起こし続け、効果を低下させる可能性が高い。増援のロシア軍がもたらすであろう有効戦闘力を評価するにはまだ早すぎる。

 

3月2日現在の戦況

www.understandingwar.org
ロシアの支配地域と主な起動軸 3月2日
https://www.understandingwar.org/sites/default/files/DraftUkraineCoTMarch2%2C2022.png

ロシア攻撃作戦の評価、3月2日
ロシア軍は3月2日、キーウ包囲を支援するための攻撃活動を再開したが、支配地域の拡大はほとんどなかった。ロシア軍はキーウの北と西の部隊を強化し、補給するために72時間大きく中断した後、キーウへの両進攻軸で攻勢を再開した。キーウを包囲するためのロシアの作戦は、ロシアの主要作戦である。ロシア軍は、ハルキウ奪取、マリウポリ奪取とロストフ・オン・ドンとクリミアを結ぶ「回廊」の確保、ケルソン確保とミコライフやオデーサ方面への西進のための条件整備という3つの支援活動も行っている。ロシア軍はケルソンを占領し、マリウポリの重要な民間インフラへの砲撃を開始し、同市を降伏させようとしたようだが、ハルキウではほとんど領土を獲得することができなかった。

ロシアのキーウ攻撃は、西側からの包囲と最終的な包囲を目指す主戦力と、チェルニヒフとスミからの軸線に沿って東側から包囲する支援活動で構成されているようだ。この48時間にキーウの北で観測されたロシアの戦闘・兵站車両の長い隊列は、現在、ロシア軍がキーウの北西郊外に維持している位置からキーウへの直接攻撃を支援していると思われる。しかし、ロシア軍は今後数日間、キーウへの直接攻撃よりも、包囲を優先する可能性が高い。

ロシア軍は3月2日にハルキウへの正面攻撃を再開し、エリア攻撃兵器の使用を続け、民間インフラへの被害と民間人の犠牲を劇的に増加させた。ロシア地上軍は、ハルキウを包囲するのではなく、北東から再び正面攻撃を行う模様で、ウクライナの抵抗が長引くと見られる。

南部のロシア軍はケルソンを確保し、マリウポリの民間インフラへの砲撃を開始し、直接攻撃せずに降伏させようとしたもよう。一方、ザポリジアの南では陣地を維持しているようである。ロシア軍は今後24時間以内にミコライフへの攻撃活動を再開する可能性が高いが、オデーサに差し迫った危険はないようである。ロシア軍は、重要な民間インフラを破壊し、民間人を殺害して人道的大惨事を引き起こすことで、マリウポリを降伏させようとしているようだ。これはロシア軍がシリアで繰り返し取ってきたアプローチである。ロシア軍がザプロジヤ付近を北上し、接触線に沿って戦うウクライナ軍を遮断する可能性は、今後24~72時間以内では極めて低いと思われる。

ロシア軍は必要な物資と増援を受け取っており、今後24~72時間でより迅速かつ効果的な作戦が可能になるかもしれない。しかし、キーウ周辺のロシア軍は、連隊や旅団の司令部の下で活動するのではなく、多くの異なる大隊の要素を組み合わせて、その場しのぎのグループを作っているため、まだ組織化されていない。ISWが以前報告したベラルーシとロシア西部におけるロシア軍の構成と組織の初期誤差は、キーウ周辺でのロシアの物流と作戦の失敗につながったが、これをすぐに改善することは難しく、補給問題が解決されて増援が戦場に入ったとしても、ロシアの作戦に摩擦を起こし続け、効果を低下させる可能性が高い。増援のロシア軍がもたらすであろう有効戦闘力を評価するにはまだ早すぎる。

 

3月3日現在の戦況

3日以降は、そのまま訳すのではなく、私がかいつまんで訳すことにした。
www.understandingwar.org
https://www.understandingwar.org/sites/default/files/DraftUkraineCoTMarch3%2C2022.png

首都キーウ包囲戦

  • 北西からキーウを包囲しようとしたロシア軍は、ウクライナ軍の抵抗と反撃で更に西に追いやられた。
  • ロシア軍は、キーウ西方のジトーミル州に向けて進撃し始めた。これはキーウからはやや遠ざかる動きでこの動きを続ける場合、キーウを完全に包囲することは困難と思われる。
  • ベラルーシからドニプロ川東岸を侵攻しているロシア軍は、依然としてチェルニヒフを確保できずキーウ北東部郊外のウクライナ軍防御網を突破できていない。

ウクライナ東部(ハルキウ市街戦)

  • ロシア軍はハルキウ近郊で静止しており、砲兵、空爆、ミサイル攻撃でハルキウに壊滅的な打撃を与えている。
  • ウクライナ軍は、連隊規模のロシア軍が今後数日間ハルキウを包囲または迂回するとみている。だが連隊規模ではその作戦の成功は考えにくい。

ウクライナ南東部(マリウポリ攻防戦)

  • ロシア軍はマリウポリを包囲し、降伏か破壊するために残忍な攻撃を行っている。

ウクライナ南西部(ケルソン、ミコライフ)

  • ケルソン市長は条件付きでロシア軍に降伏し、ロシア軍はミコライフへの進撃をを再開した。
  • ウクライナ軍は、ミコライフ近郊の空港に対するロシア軍のヘリボーン作戦を撃破したと伝えられている。

 

3月4日現在の戦況

www.understandingwar.org
https://www.understandingwar.org/sites/default/files/DraftUkraineCoTMarch4%2C2022.png

首都キーウ包囲戦

  • ロシア軍は、スムイ(ウクライナ北東部の都市)からキーウの東部近郊への攻撃軸において急速に侵攻しており、今後24~48時間以内にキーウのドニプロ川東岸地区を包囲・攻撃する可能性がある。

ウクライナ東部(ハルキウ市街戦)

  • ロシア軍は、ハルキウへの直接攻撃は行っていない。

ドニプロ川東岸(ザポリージャ

ウクライナ南東部(マリウポリ攻防戦)

  • ロシア軍は引き続きマリウポリを包囲し、降伏か破壊するために残忍な攻撃を行っている。

ウクライナ南西部(ケルソン、ミコライフ、オデーサ(オデッサ))

  • ロシア軍はケルソンを確保している。
  • ロシア軍はミコライフへの地上攻撃を再開した。
  • ロシア海軍歩兵部隊は、ロシア軍地上部隊がオデーサへの経路の確保が確実になった時に、オデーサ近郊へ強襲上陸作戦を行う体制を整えているようだ。

 

3月5日現在の戦況

www.understandingwar.org
https://www.understandingwar.org/sites/default/files/DraftUkraineCoTMarch5%2C2022.png

首都キーウ包囲戦

  • キーウ北西では、この24時間、ロシア軍のめだった侵攻はなかった。なおイヴァンキフ付近にヘリコプターの前進基地を設置していると分析している。また輸送隊を攻撃ヘリコプターが護衛し移動している。
  • キーウ北東では、ロシア軍はほとんど動きがない。
  • キーウ西のスムイからの攻撃軸でも、この24時間目立った動きはない。

ウクライナ東部(ハルキウ市街戦)

  • ロシア軍は、空爆、砲撃、ロケットやミサイルなどを使い攻撃を続けている。予備役3000人が動員されハルキウの戦いに投入されるのではないかと分析している。

ウクライナ南東部(マリウポリ攻防戦)

  • ロシア軍は引き続きマリウポリを包囲し、降伏か破壊するために残忍な攻撃を行っている。

ウクライナ南西部(ケルソン、ミコライフ、オデーサ)

  • この24時間、ロシア軍は次の攻撃の準備を行っているようで短時間の休息にはいっているようだ。
  • ロシア軍がケルソンの地元の女性をレイプしたという報告がある。
  • ロシア海軍歩兵部隊が大型水陸両用戦に積み込まれたという報告がある。オデーサ近郊へ強襲上陸作戦を行う体制を整えているようだ。

 

3月6日現在の戦況

www.understandingwar.org
https://www.understandingwar.org/sites/default/files/DraftUkraineCoTMarch6%2C2022.png

首都キーウ包囲戦

  • キーウ北西でロシア軍は陣地に展開し、過去24時間戦闘行動を起こしていない。最大18個の大隊戦術グループ(BTG)が展開していると報告されている。ロシア第76空挺師団の一部がキーウ中心から20km西方のビロホロードカに向けて前進しているという報告もある。キーウ西方から包囲を完成させるための近道を探していると思われるが、それが成功するかは評価できない。
  • ロシア軍は、キーウからイルピン(キーウ中心から西北西20km)を経由する民間人が避難するために使っている鉄道路線空爆、砲撃している。
  • キーウ北東のチェルニヒフへの再攻撃のため、燃料気化爆弾発射機を前進していると報告されている。
  • キーウ東のブロバルイ付近でロシア軍が再編成しており、ボルィースピリ空港に向けて進撃するのではないかと見られている。

ウクライナ東部(ハルキウ近郊)

  • ハルキウ西および北西に23個もの大隊戦術グループ(BTG)が展開しており、作戦の再開に向けて準備中である。

ウクライナ南東部(マリウポリ攻防戦)

  • ウクライナ軍が反撃し少数のロシア軍車両を破壊したが、支配地域には大きな変化はなかったと報告されている。

ウクライナ南西部(ケルソンと西部)

  • ウクライナ軍はミコライフに向かった3個大隊戦術グループ(BTG)を撃退したとしている。
  • ロシア海軍歩兵部隊がオデーサから南バグ川河口までの間に強襲上陸作戦を試みる可能性がある。

 

3月7日現在の戦況

www.understandingwar.org
https://www.understandingwar.org/sites/default/files/DraftUkraineCoTMarch7%2C2022.png

首都キーウ包囲戦

  • キーウ北西では、ロシア軍はキーウ北西20kmに位置するイルピンとそれより5km北のブチャの制圧を企図した攻撃を行っている。インフラおよび民間人を直接狙う攻撃が行われている。またキーウを包囲するため、南方向へ前進しつつある。
  • キーウ北東では、チェルニヒフに軍を集中し、街を包囲、掌握するための活動を行っている。
  • キーウ東では、ロシア軍は東部郊外に拠点を置いている。ウクライナ軍によるノヴァバサンのロシア軍の兵器庫攻撃が成功したとウクライナ軍は伝えている。この攻勢軸はサムイ方面から長い兵站戦で維持されていると思われ、兵站の維持は困難と思われる。ウクライナ軍の兵站拠点への攻撃の継続は、キーウ東部にいるロシア軍の行動妨害になる可能性がある。

ウクライナ東部(ハルキウ近郊)

  • ロシア軍は、空爆および砲撃でハルキウに攻撃を続けているが、地上軍の攻撃は再開していない。これらの攻撃は無差別な攻撃と考えられる。

ウクライナ南東部(マリウポリ攻防戦)

  • ロシア軍はマリウポリの包囲を継続し、侵入を試みている。ウクライナ軍は反撃しロシア軍の侵入を阻止したが、今もマリウポリとその周辺で激しい戦闘が行われている。

ウクライナ南西部(ケルソンと西部)

  • ロシア軍は、複数の攻勢軸に分かれて進軍、もしくは進軍を準備中である。その中で、ザポリージャへ北上する作戦を優先しているようにみえる。またロシア軍はミコライフとその近郊の町に対して激しい砲撃を行っており、地上攻撃を準備していると思われる。
  • ロシア海軍歩兵部隊がオデーサから南バグ川河口までの間に強襲上陸作戦を試みる可能性がある。

 

3月8日現在の戦況

www.understandingwar.org
https://www.understandingwar.org/sites/default/files/DraftUkraineCoTMarch8%2C2022.png

首都キーウ包囲戦

  • キーウ西では、ロシア軍はキーウ北西20kmに位置するイルピン周辺の支配を強化している。これらの地域で住民から食料、燃料、その他必需品を奪い飢餓戦術を展開している。また2個大隊戦術グループがキーウ西方50kmのビシフに侵攻した。不特定多数の大隊戦術グループがキーウ北西70kmのイヴァンキウを攻撃している。空挺師団とスペツナズの部隊がキーウ北西30kmのラキフカ付近で攻撃を開始したが撃退されたもよう。その後キーウ北西40kmのダイメル付近でも空挺師団とスペツナズの部隊がいたとされる。
  • キーウ北東では、チェルニヒフに軍を集中し、街を包囲、掌握するための活動を行っている。攻撃は確認されていない。
  • キーウ東では、ロシア軍は東部郊外に拠点を設けようとしている。ウクライナ軍はグルヒフでロシア軍の9個大隊戦術グループによる攻撃を阻止したとしている。ロシア軍はこの抵抗を排除するために兵力を結集していると思われる。最大22個の大隊戦術グループがカニフに集中しているという報告がある。

ウクライナ東部(ハルキウ近郊)

  • ロシア軍は、この24時間で支配地を拡大していない可能性が高い。ウクライナ軍はロシア軍1個旅団が戦闘能力回復のためベルゴロドに戻ったと報告している。

ウクライナ南東部(マリウポリ攻防戦)

  • ロシア軍はマリウポリの包囲を継続し、侵入を試みている。マリウポリとその周辺で激しい戦闘が行われている。

ウクライナ南西部(ケルソンと西部)

  • ロシア軍は、ザポリージャへ北上する作戦を優先しているようにみえ支配地を拡大した。またロシア軍はミコライフに迫ろうとしているが、いくつかの攻撃は撃退された。追加兵力なしにミコライフの占領は難しいだろう。ロシア軍はミコライフを迂回しオデーサへ向かう可能性がある。
  • ロシア海軍歩兵部隊がオデーサから南バグ川河口までの間に強襲上陸作戦を試みる可能性がある。

*1:DeepLで機械翻訳したのち、一部私が表現を修正している。